イヌ掲示板過去発言No.1100-200506-3
Re:乳がん・・・ |
投稿日 2005年6月1日(水)15時59分 投稿者 りんママ
仲井さんへ いつまでも側にいて欲しい。死なないで欲しい。治って欲しい。 私もそう思わずにはいられませんでした。 心中お察しいたします。 知らないことは、時にはとても悔やむ結果になります。 これから先ご自分の犬を飼う時に、ぜひ1冊犬の飼育書を読んで下さい。 巷で売られている犬の本には必ず犬の病気について書かれています。 乳ガンは早期発見であれば、治る可能性が高い病気です。 犬の乳腺腫瘍の良性と悪性は50:50。 そして、犬はとても我慢強い動物です。 見た目に具合が悪いと判る状態は既に手遅れとなっていることも多いです。 飼い主は日頃から犬の体調の変化や些細なシグナルに気を配ってあげて欲しいのです。 今の段階で悔やんでもしかたがありません。 ご愛犬の最後の日まで悔いが残らない看護をしてあげてくださいね。 痛みが出ていない介護は、パールちゃんのお返事で良いと思います。 腫瘍がすでに大きくなっている事を考えても既に他臓器やリンパ節へ転移をしている可能性があります。獣医さんは何か仰っていませんでしたか? 生あるものには皆平等に死が訪れます。 最後をどう迎えたいのか。 犬には治療の選択肢も決定権もありません。 最後まで痛みが出なければ、そのまま自然に逝かせてあげることも出来るでしょう。 飼い主にとっても犬にとっても一番最良のケースです。 でも、癌の末期となり他臓器に転移したり、腹膜内で腫瘍が破裂した場合の痛みは、想像を絶する痛みが出ることがあります。 犬も苦しいですが看ている家族もとても辛いです。 人の場合には、疼痛緩和治療が行われ治療には多額の費用が掛かります。 犬の場合に、人と同じ治療を受けさせることが可能ですか? 飼い主も獣医師も、疼痛緩和にどこまで積極的にかかわっていけるのか? モルヒネ製剤は劇薬指定ですからいつでも入手可能な製剤ではありません。 費用の問題、介護の問題、延命治療だけが治療ではないと思います。 そして、容態が急変するのは昼間とは限りません。 むしろ夜間休診日などで病院と連絡が取れない時間帯におきるのです。 その時にどうするか心つもりをしておかれるとよいですよ。 私の体験から 柴犬雑種を13才と15才の時に乳腺腫瘍=乳ガンの手術を受けさせました。 今は飼い主の考え方や獣医療も獣医師の考え方も随分と当時から変わってきていますが、当時柴犬系雑種は室外犬が定番でしたが、実家では室内飼いしている上に、犬が癌だと何度も手術をさせることで変わった家族と思われていたようです。 乳腺腫瘍は未不妊であったことや、発情の度に偽妊娠を繰り返していたことも一因なのでしょう。 最初13才の時、少し前から乳腺の痼りが引かないことに気づいてても偽妊娠からくる乳腺炎をおこしているくらいに考えておりました。 そのうちに、痼りを舐め崩したことで病院で組織検査や腫瘍マーカー検査などで悪性だということになり、幸い他の臓器に転移がないようでしたので翌日に腫瘍と子宮卵巣摘出手術を受けさせました。 かかりつけの獣医さんは犬の腫瘍に興味を持たれていた方でしたので治療に関しては、飼い主の意向をとても尊重して下さいました。 15才時の再発手術では不整脈も出ており何度も心臓が止まりそうで手術も時間との戦いでした。 手術には2度とも立ち会いましたから再々発した時に手術は、もう体力的に難しいかもと話がありました。 そして2年後、その日の朝、父といつものように散歩に出た先での出来事でした。 突然座り込み、腰が抜けた状態で下半身は冷え全く立つことが出来ませんでした。 父は抱きかかえて自宅に戻り愛犬はただただ泣き叫ぶばかり。 身体的には、痼りなどは出来ていませんでしたので見えない部位が侵されていたのかもしれません。ただ、体内の腫瘍が破裂したのかもしれません。 17才という年齢的なこと体力的なことで獣医師からは手の施しようがないとの返事でした。(13才、15才と2回手術をしてくれた獣医さんとは別の方です。) 前後になりますが、その先代犬は、とても我慢強い子でギャンギャンと泣く声はこの最後の日まで聞いたことがありませんでした。 その子が最後には咽から血が出るまで声を上げて泣き叫んだのですから、その痛みがどれほどであったか想像出来ません。 もう手の打ちようがない、そのまま泣き叫びながら夕方には衰弱して亡くなるだろうと言われた時、私はこのまま苦しませて逝かせるよりと安楽死の選択をしました。 そして、彼女の死から10年近く経ても、彼女の声は耳に残っています。 体温が下がって息絶えるその時の瞬間もこの手に感触として残っています。 私が決めたこととはいえ、あれで本当によかったのか。 父や母の思いは、愛犬の思いは。。。 未だに自問自答をしています。 これ以上苦しませたくないと安楽死をさせたのはエゴではなかったか。 本当に治療の選択肢はなかったのか。他院でも同じ決断だったのか。 いずれにしても、「もしもあの時」に時間を戻せません。 ただあの時と同じ過ちは繰り返さない、賢い飼い主になりたいのです。 日頃から犬を触り犬の健康に気を配って頂きたいのです。 病気予防はもちろん病気の早期発見、早期治療につなげて欲しいのです。 『いつもと何となく元気がない。触った感触がおかしいと思った場合など。』 病気を悪化させたり、「もしもあの時に」と後悔をしない為にも、 なんだかおかしいと思ったら直ぐに病院で診て貰ってください。 愛犬の一番の主治医は獣医師ではなく、いつも接している飼い主なのです。 |
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