獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200508-69

にんさんへ
投稿日 2005年8月16日(火)00時23分 投稿者 パールちゃん

ヒトにもイヌにも「風邪」という病気はなく、ノドや鼻の炎症を総称してそう呼んでいるだけなのですが、仔犬がケホッケホッと乾いた咳を繰り返す場合にいちばん考えられるのは伝染性の気管支炎(ケンネルコフといいます)を疑います。ケンネル(犬舎)のコフ(咳)の名の通り、複数の仔犬のいる場所で次から次へと伝染していく病気です。仔犬の健康によく注意し、衛生面もよく配慮されているところならそういう病気にはなりませんが、そのペットショップはどうでしたか? ほかにも咳をしたり鼻が乾いている仔犬はいませんでしたか? おそらく病院でもケンネルコフを前提とした治療をしているでしょう。
発見が早く、早期に治療を開始すれば回復することも多いですが、仔犬はまだ体力も抵抗力もないので命を落としてしまうこともあります。にんさんの仔犬ちゃんは幸い回復に向かっているようでよかったですね。退院の際はぜひ治療に当たった獣医さんに会い、どんな状態だったのか、どんな治療をしたのか、これからどんなことに気をつければいいのか、よく話をしてください。疑問や不安はなんでも聞いてください。これからいっしょに生活していく大切な子です。その子がどのくらい苦しかったのか、どんなふうにがんばって治ったのかを聞いておくことは今後にきっと役に立つはずです。
そしてえむさんからもアドバイスがありましたが、その病院とは別の病院、ご自宅近くにかかりつけの病院を早く見つけておいてください。そこへワクチンを打ちに行くことになるでしょうから、そのときには咳で入院した経緯をできるだけくわしく説明できるようにしておいてください。これからの健康管理のためにも必要なことです。
もうひとつ退院後のおうちでの注意についてですが、仔犬は暑い寒いを感じて自分から寝場所を移動する判断力がまだ発達していません。仮にクーラーが効きすぎていてもやわらかい敷物があったらそこで寝てしまって体が冷えすぎてしまうことがあります。室温設定に気をつけてくださいね。人間が「このくらいかな?」と思う快適室温だと人間よりも低い位置にいる犬には冷えすぎのことがありますからね。丸くなって寝ているときはちょっと寒い、横倒しになって手足を伸ばして寝ているときは快適、ベターっとうつ伏せやあお向けゴロンで寝ているときはちょっと暑い、そういう寝姿で犬にとっての快適温度を判断することができますのでぜひ覚えておいてください。
回復と退院を祈っています。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。