イヌ掲示板過去発言No.1100-200508-86
Re:自分のおしっこをなめるのは・・・ |
投稿日 2005年8月17日(水)12時49分 投稿者 パールちゃん
多頭飼いされている犬は下位の者より上位の者のほうがストレスが強いのではないかと私は思っています。 下位であることを表現するほうが簡単です。近づかないようにしたり、隠れたり、こびたり、へつらったりすればいいわけだし、それを受け入れられたと確認するのが容易ですから。それにひきかえ上位は上位であることを「示す」「保つ」がむずかしいように感じます。下位に対して友好的な気分ももちながら、でも「対等だとは思うなよ」と常にクギを刺しておかなければならないですからね。また、あんまり偉そうにしていると飼い主からイエローカードを出されてしまいます。ちょっとやりすぎだよ、と。人間はどうしても不公平のないような飼い方をしますから、それは上位の犬にとって上位であることを表現するさまたげになってしまうんですよね。中間管理職の悲壮に似ているかもしれません。上からはうまくやりなさいとせっつかれ、下からはしっかりしてくださいとあおられるようなものですから、上位犬の立場は非常に微妙です。 現代の家庭で飼われている犬は狩りをするわけでもなし敵に立ち向かうでもなし、群れとしての共同作業をする機会はまったくといっていいほどありません。せいぜい来客があったときにいっしょに吠えるくらいが関の山。群れでありながら群れでない、そのジレンマが多頭飼いにはつきまといます。 イヌという生き物の生態を理解する努力をしながら犬同士のことは犬同士にまかせる、長い年月多頭飼いをしてきて私が思うのはこれに尽きます。大ボスである人間は「それ以上はいかんよ」という上限だけ定め、そこに達するまでは犬同士のことに介入しない、そう心に決めて接しています。 群れの安定のために必要なら小競り合いも多いにけっこう、噛みつかなきゃ結論が出ないなら噛みつくのもよし、でも相手を殺すことを意図した牙だけは認めない、それが私の「それ以上はいかんよ」です。 うっかりやまさんは2匹それぞれをよく観察しているし、現時点での上位下位を尊重しながらうまく接してあげていると思いますよ。 改善点があるとすれば、散歩はできれば2匹いっしょに、夜は弟分もケージから出す、この2点でしょうか。イタズラ防止は人間が工夫すればいいことですからね。 夜、人間が寝ているときこそ犬は犬同士で力を合わせて時を過ごします。怪しい物音はしないか? 見てこようか? 吠えようか? 大丈夫だよ、なんでもないよ、そっか、じゃ寝よう・・群れの絆は人間が寝ている夜間に築かれる、私はそう考えていますので、その時間帯にフリーでいさせることが多頭飼いの自然なあり方だと思います。 おしっこを舐める話からずいぶん発展しちゃいましたね。匂いの確認、味の確認、自分という存在の確認、それに関わる他者の存在、その図式でいくとどうしても多頭飼いということへ話が向いてしまいました。 |
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