上の子優先が度を越してしまったのかもしれませんね。
声をかけても遠くでおすわりしてしっぽを振っているだけ、人間に近寄らない、近づくだけで逃げる・・これは人間を怖がっているときの反応です。追いかけ回したり怖い思いをさせたりはしていないつもりでも、なにかのときに下の子にいやな思いをさせてしまったのでしょう。ものすごく単純な場面だったかもしれません。たとえば、おやつを持っているところへ2匹が来た、下の子が上の子より一歩前に出た、それを「ダメっ」と制止した・・というような。下の子にはそれがひどくショックだった、拒絶されている感じがした、人間は怖い・・そう感じてしまったのではないかと思います。
基本としては上の子優先でいいのですが、さりげなく<上の子が先・下の子は次>をやらないと多頭飼いはうまくいきません。<上が一番・下は二番>は厳格なルールではなくこんな感じでいこうよのムードなんです。なにがなんでもお兄ちゃんが一番ではなく、お兄ちゃんが一番ていう雰囲気がなんとな〜く漂っているくらいでちょうどいいんです。文章だとニュアンスがうまく伝わらないかもしれませんね。あんまり一生懸命に上の子優先をやらなくてもいいっていうことです。
下の子がでしゃばったときは「ダメっ」ではなく「待ってね」くらいのソフトムードのほうがよく、待っていられたらそれを当たり前と思わずに「偉いね、よく待てたね」と二番でいたことを誉めてあげてください。
下の子の心は箱に入って鍵がかかってしまっています。やさしく接して箱を開けてあげてください。それを見て上の子がひがんでヤキモチを妬くならそれはそれでいいんです。ちょっとしたことでひがんでしまうような性格なら上位でいる資格はありませんからいずれ下の子が上の子を蹴落とします。飼い主はそれを恐れないでください。犬同士の力関係は犬同士で決着をつけなければいけないことですから。