ナツさんへ。
群れのメンバーの相性は個々の犬の性格によるところが大だと思います。親子のほうが相性的にいいとはいえず、親子よりもまったく赤の他犬とのほうが仲むつまじくということもあります。犬たちを見ていると相性という点で血縁にはそれほど重きはないように感じます。
父親ではなく母や娘がアルファになることもあるかという点についてですが、それはありえます。でも、力と知恵を合わせて狩りをするわけでもない家庭犬においては真の意味のアルファは存在しないと思います。雰囲気的になんとな〜く「○○(名前)がいちばん偉そうにしている」というだけのことではないでしょうか。家庭犬がいちばん一生懸命になるのは［かわいがられること］ですから、かわいがられ方がいちばんうまい犬が他の犬の羨望を集める結果となり、それがアルファもどきになるんだと思います。つまり、飼い主はどうしても年長を優先する、目上を敬いなさいという人間の感覚を犬にも投影する、それによって自然に、年長＝リーダー＝アルファという幻の図式ができているだけのような気がします。
ものの本に、群れには、オスはオス、メスはメスのアルファがいると書いてあるとのことですが、私はそう実感したことはありません。群れ全体の雰囲気をリードするのは性別や年齢に関係なく［いちばん長くここにいる犬］です。これは、飼い主とのつながりの深さに比例するのかもしれません。