獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200603-14

re MEIさん
投稿日 2006年3月3日(金)21時49分 投稿者 はたの

MEIさんが何を求めておられ、何を支払う心づもりがおありか、それ次第でしょう。

・寂しいかどうか。「飼い主がいなくてイヌ一頭」よりは「飼い主がいなくてイヌ2頭」のほうがよほどマシです。たとえ昼寝をしているとしたって。昼寝の途中で起きて水を飲む、というだけでも、複数ですと行動は同調しがちです。つまり、他イヌの存在を意識している、ということであり、そのぶん寂しさは少なくなります。
 マイケル・フォックスなどは、カメでさえ寂しさを紛らわせるのに有効・・・と記述しています。実際には退屈したイヌにちょっかい出されても平気なカメというのは、糞もイヌより大きいとか、その糞をイヌが食べがちとか(掃除の手間が省けるといえばそれまでですが)、イヌの糞をカメが食べるとか(完食せず甲羅で引きずるとちといやなことに)、そもそもカメのほうがイヌより飼うのが大変とかあるので実際にはお勧めしませんが(フォックス博士はたぶん爬虫類飼育にはお詳しくないのでしょう)、そのぐらい、「何か生き物がいるのが大切」というのはその通りです。
 そして、諸事情勘案すれば、イヌと一緒に飼うのはやはりイヌが一番ラクです。

・トイレの始末は、「同じことを二回やるか、短期間に2倍の手間をかけるか」の選択でしょう。

・同時期に飼い始めると相互依存が生じるのはその通りですが、これは、別の時期に飼い始めても、その2個体が惹かれ合えば同じことです。

・年齢差があると、後から来たイヌのしつけがラクなのはその通りです。

・一頭で飼っているところに2頭目、というのは、実は一番難しい「増やし方」です。「最初から2頭」のほうがイヌ同士の間を取り持つという観点からはずっとラクです。群には複数いるのが当然、が前提となりますから3頭目はもっとラクですし、群には新メンバーが加わるもんだ、が前提の4頭目以降はもっとラクです。

※どちらにせよ、どれか一頭が開発したいたずらを複数で実施する、というのは覚悟する必要があります。

 まあ、イヌとの出会いというのは「ご縁」の類ですから、あまり難しく考える必要もないと思います。保健所からの引き取りならなおさら、セットで引き取ってもいいと思えるのなら2頭でも3頭でもいいように思います。多ければ不幸な死を減らせるのですしね。
 予防注射その他のコストは頭数に比例します。トイレの始末をする箇所の数も。
 ただ、寝不足期間はあまり数には関係しません。
 その場のフィーリングでいいと思います。複数同時でいけないということはありません。逆説的ですが、事前にあれこれ情報収集されるかたでしてら、あとはその場で決めてもなるようになりますよ。複数に振り回されて苦労するのもまた、イヌを飼う醍醐味です。
 本には、雌雄の相性云々が書かれているかと思います。まあ無視して結構です。統計的にどうか、という強度よりも、ある個体とある個体の相性のほうがずっと強く効くので。

 お心と家計にゆとりがあるのなら、二頭でも、あるいは三頭でも、大いによろしいかと思います。苦労はおおむね頭数に比例するかそれ以下ですが、楽しみはずっと大きくなる(イヌ同士のやりとりが見られますから)ので。

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