獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200603-49

re: 先天性?
投稿日 2006年3月17日(金)11時40分 投稿者 プロキオン

「初めて投稿します」とありましたが、すぐ下のアイリッシュセッターの排尿について
質問されているナナさんとは、別人ということなのでしょうか?

ジステンパーは、感染症ですから、「先天性」という表現にはそぐいません。通常は、
水平感染するウイルスが、母親から感染する垂直感染が胎内で発生したかということに
なるかと思います。
# 先天性という意味を解釈するとしたらです。

ただ、昔からジステンパーは子犬にとって、由々しき疾病ということであって、子犬が
感染しているということ自体は、決して珍しくもなく不思議でもありません。そして、
それらはまずもって水平感染のはずです。

胎児のときに母犬から感染したとするのであれば、まず、第一にその当該犬がジステン
パーであるという確定診断が実施されていること。そして、母犬の診断(検査)が必要
です。
母犬がワクチン未接種であるのにもかかわらず、異常に高い抗体価を保持しているとか
、すでに発病してしまているとかが確認されなくてはなりません。
もし、ワクチン接種済みであれば、子犬への胎内感染は発生していないはずです。

ウイルス性疾病が胎児に単独で感染するとういうことはありえませんので、必ず母親が
先に感染しているはずです。
母親の感染が確認されない、証明できないのであれば、それは、分娩後に感染したとと
らえるべきことになります。
分娩後に母犬と子犬が同時に感染してしまって、区別がつきそうもないという場合も想
定できないことではありませんが、そこまで考える必要もないように思います。
仮に、そのような例であっても、血清を2ME処理をすれば、感染した時間差があるか
どうかを調べることはできます。

ウイルス疾病においても、一度感染した動物が常時ウイルスを排泄しつづけているわけ
ではありません。それが、ジステンパーウイルスであれば、まずは、生後子犬の時期に
感染と流行があると考えることの方が普通だと思います。
あまりに幼い子犬であって、つい「先天性」と言いたくなったのではないのでしょうか


本来の胎内感染であれば、胎児は流産死産されているケースが普通でしょうし、生まれ
てきても他所の家に貰われていくまで生存できるということは、あまりないことのよう
に考えられます。
成書のジステンパーの項目に「先天性」がないのは、そういう意味から、遭遇する機会
がないからということになるのでしょう。

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