獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200605-5

横レス;手づくり食について
投稿日 2006年5月2日(火)10時59分 投稿者 海が好き

パールちゃんさん、玄米は犬にとって消化しにくいのはその通りなんですが、
野菜と同様、加工の仕方で相当違います。

以下、手づくり食の実感について;
(まったく余計なことかもしれませんが)

 まず、手作りでの消化不良の症状で「嘔吐」というのは私自身は体験したことが
ありません。もっぱら、下痢もしくは軟便です。他の人の体験談の中には「嘔吐」と
いうのも見たことがありますが、非常に少なかったです。ほとんどは下痢です。
(ということで、ふゆさんのケースでは「病院へ」と書きました)

玄米は、白米に3割程度混ぜて普通に炊いた後、水を加えておかゆモードでもう一度
炊けば、ドロドロとなり、ほぼ消化できる状態になります(うちの子の場合)。さらに
フードプロセッサーにかけるなどすれば大体の子は消化できるでしょう。
普通に炊いただけでは、便の中にそのまま出てきます。
(炭水化物としては、マカロニなどの方がはるかに消化がよいので、お腹が慣れるまでは
そういったものを使った方がよいかもしれません)

野菜はとにかく細かく刻むこと。それと低めの温度でじっくり加熱するか、電子レンジ
で短時間で柔らかくするかすれば、長時間煮込むのに比べて栄養分の損失を減らすこと
ができます(もちろん損失をなくすことはできません)。
うちはそこまでしていませんが、小型犬やお腹の弱い子だと、フードプロセッサで
砕いている方も多いです。
(そのまま出てくる分に関しては、「絶対にあってはならないこと」とは私は
考えていません。ただ、超小型犬と中型犬、大型犬とでは、”負担”の意味が
違うようにも思いますが)

配合比なんですが、うちの場合、
 肉や魚 4: 炭水化物(残りご飯が主) 3:野菜&海藻類 3
という感じで、適宜、これに良質の植物性油脂を加えたり、カルシウムサプリを加えたり
しています。たんぱく源として、納豆や豆腐もよく使います。

一方、手作りでも生食派の方は、パールちゃんさんが書いているような配合のようです。
「穀類と肉を一緒に与えない」といった配慮をされている方もいますね。

私の実感としては、一部で言われている「穀類は消化できない」「野菜は消化できない」
という話に捉われることはないと思います。ただ、いきなりドーンと与えれば、下痢
しますので、便の状態を見ながら、量や加工法を工夫する必要はあります。
あるいは小分けにして何回かに分けて与えるのも、お腹に負担をかけない一つの方法だ
と思います。
(このトライ&エラーが必要なところが手作りの大変な点かもしれません)

手作り食の本は色々出ていますが、極端な書き方のものも多いですね。
私は、何度か紹介しましたが、「愛犬の食事百科」が一番参考になりました。
ドライフードについても詳しく書かれていますし、疾患や体の状態に合わせた栄養に
ついてデータを踏まえて(素人向けに)書かれているのがありがたいです。

最後に、これから手作りしたいという方へ。
 何度も書いていますが、必ず、獣医さんに了解していただいてからにしましょう。
特に、腎臓や肝臓に何らかの疾患を抱えている子の場合、脂質やタンパク質量を
厳密に管理する必要があります。手作りにするにしても、療法食の成分比と同等に
なるよう、獣医さんと確認し合う必要があります。
そこまでのことでなくとも、何かにつけて食事のことで獣医さんと対立してしまうよう
では、決していい治療はできません。

 それと、「絶対にドライを与えない」などと頑張らない方がよいと思います。
私自身、ご褒美にドライフードを使っています。災害で避難した場合とか、入院とか
色々な場合を考えれば、「なんでも食べられる子」にしてあげるのがワンコのためだと
思います。

以上、異論もたくさんあるとは思いますが、実践してみての実感です。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。