獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200607-88

Re:分離不安
投稿日 2006年7月15日(土)02時28分 投稿者 パールちゃん

ぼろぼろさんへ。
動物行動学の専門家の探し方ですが、ぼろぼろさんはすでに実践していますよ。獣医さん・訓練士さん・しつけ教室・ネットでさがして問題行動のカウンセリングをしてもらい等々、これまでやってきたことをさらに続けていけばいいと思います。的確なアドバイスをしてくれる人にいつか出会えるでしょう。
でも、言われたとおりにすれば問題はすぐに解決する、そうは思わないでくださいね。いつどんな問題に対しても、判断し工夫し努力しなければならないのは飼い主自身です。

失礼を承知で私が思ったことを書きますね。
小さな体のオスを飼った、大きくなるオスをそのあと飼った、これだけ見ても先住オスに多大なストレスがかかるのは容易に想像できます。さらにそのあと小型メスを飼ったのは先住オスのストレスの火に油を注ぐようなもの。去勢してもオスはオスです、メスがいればそれがオス同士の喧嘩の火種になります。ところがメスがきてからオス同士の喧嘩が減ったという。ここがいちばん問題です。メスが来てからますますオス同士の喧嘩が増えたというのならシュナちゃんは舐め回しもせず大量ヨダレも出ないでしょう。喧嘩をしないからシュナちゃんは舐め回しをして大量ヨダレを出す。それは喧嘩の決着がついていないからです。シュナちゃんは大型くんと自分の関係に納得をしていないといえます。喧嘩をして怪我までさせられたけど負けたと認めたわけじゃない。このへんいかにもシュナウザー犬種の気の強さや頑固さゆえかもしれません。ふつふつと湧く怒りとどうにもならない悲しみが舐め回しや大量ヨダレとなって表れている。
私が思うに、シュナちゃんに必要なのは安心できるハウスでもレメディでもありません。シュナちゃんが欲しいのは確固たるポジションです。3匹プラス猫のなかで第1位になることです。それを手に入れれば舐め回しも大量ヨダレもなくなるでしょう。
大型くんと喧嘩をしても負けるのはわかりきっているし、本気の喧嘩になったら悲惨な結末の前に飼い主は仲裁に入らざるをえません。ならば飼い主がシュナちゃんに第1位のポジションを与えてやるしかないでしょう。それが前回私が書いた「特別扱いしてやるあれこれ」です。
本来は犬同士が自分たちで順位を決めるのが自然です。が、そうすると血を見るだけでは済まないことになる組み合わせの多頭飼いをしてしまったときは飼い主の責任において順位付けに介入してやるほうが結果いいのです。わざと軽く喧嘩させてシュナちゃんをかばい、シュナちゃんの見ている前で大型くんをぶん殴るという行為もときには必要です。それで順位は明白になります。シュナちゃんが1位、メスちゃんが2位、大型くんが3位、猫ちゃんは別格と。
以上は全員がぼろぼろさんに心からの信頼を寄せていることが大前提です。

「犬たちの隠された生活」エリザベス・M・トーマス(深町眞理子・訳)草思社
この本のなかにシュナちゃんに安泰をもたらすヒントがあります。

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