イヌ掲示板過去発言No.1100-200702-7
Re:マイクロチップについて |
投稿日 2007年1月13日(土)10時32分 投稿者 プロキオン
マイクロチップ自体は、迷子探しのためのものではなく、個体識別のためのものです。 台湾でマイクロチップを入れても、そのデーターを日本国内の登録組織に届け出ていないとなりません。この組織は、つい先日まで2つありまして、相互にデーターのやりとりは実施されていませんでしたので、不都合な状態でした。 (今年に入ってであれば、統合という動きになっています。) そして、不要犬や迷子犬の管理をしている愛護センターや管理センターにおいて、マイクロチップの挿入の有無を検査してくれている自治体は、とりあえず公表しているところは 国内では4箇所のみです。 すなわち、国内で迷子になった犬がどこかの誰かに保護されてセンターに届け出られてもその4つ自治体でない限りは、マイクロチップが飼い主を教えてくれることはできないということになります。 迷子になった犬がマルチーズということであれば、おそらく、そのまま保護してくれた方のところで飼育されているということが多いと考えられます。 このような場合ですと、動物病院に連れてこられても、その方の所有する犬ということになっていますので、マイクロチップが入っていても、わざわざ飼い主の照会をするということにはならないと想像されます。 (迷子を保護された方がマイクロチップについて知識があって、病院に挿入の有無を調べてくれと依頼した場合には、初めて有効な手段となりえますが、この申告がない場合の方が多いでしょう。) 国際基準のものを採用していれば、どこの国のマイクロチップでも有効なのですが、国内登録組織にデーターの届出がしてなければ、マイクロチップの機能は果たすことができません。この点が極めて重要です。 したがいまして、迷子という事態であれば、マイクロチップは当てにされずに、ポスター張り紙・聞き込み等による捜索を早急にすることが大切です。今回のお話ですと、2年前に迷子になっているようですから、実効性はすでにないと考えられますが、大切なことなので一般論として述べておきます。 また、迷子にしないということであれば、首輪に連絡先を書いておくとか、迷子札をつけておくというような誰の眼にもすぐに分かる形の方が有効と言えます。 お尋ねのポイントであるどこに問い合わせればということなのですが、それはどこにもありません。 マイクロチップのシステムは、迷子犬を保護された方が動物病院や自治体の管理センターを介してマイクロチップのデーターを管理している組織に問い合わせることできるようになっています。飼い主がいなくなった犬が今どこにいるのかという検査システムではありません。 迷子になった犬を発見することができて、今の飼い主と元の飼い主との間で所有権をめぐる諍いが発生した際には、元の飼い主さんの主張の根拠となると考えられますが、2年経過してしまっていると、占有権はもとより所有権も移ってしまっている考えていただきたいと思います。 今回のような事例でマイクロチップが役に立つ場面とすれば、犬が生きていたことが確認できたという場面だけのように思います。
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