うちの高齢犬2匹は、片方は心臓が悪くてひどい咳で苦しむことがあり、もう片方は足腰が弱って歩行がままならなくなりつつあり、それを見ていると、せつなくて、やるせなくて、心が宙ぶらりんになります。
そんな思いにとらわれて私が少しでも暗い顔をしていると、犬たちは「やだよ、そんな顔されるのは」と言っているかのようにしっぽを下げてしまいます。
あ、ごめんごめんと私が笑えば、犬たちは「そうそう、それでいいよ」としっぽを振ります。
その日がくるのは、明日かもしれない、あさってかもしれない、それは誰にもわからないことだけれど、犬たちは、私が悲しみに沈むことを望んでいないことだけはたしかです。

｢あ〜、楽しかった。幸せだったよ。一足先にお空に行って待ってるね」
そう言って犬は旅立っていきます。
お空で待ってるねって言ったくせに、さびしがりやの甘えんぼたちの魂はすぐに私のもとに戻ってきて私から離れません。
江原さんが見たらきっと、すごい数の犬を引き連れてますねぇと言うかも(笑)

どこも痛くないし、どこも苦しくないし、魂になった私の犬たちはそれはそれは楽しそうに私にまとわりつきます。
ぞろぞろとみんなで私の行くところどこにでもついてきます。
それを感じるとき、死はお別れじゃないんだなあと、心の底から私は思うのです。