イヌ掲示板過去発言No.1100-200707-29
Re:急に食欲が出てきました・・・ |
投稿日 2007年6月19日(火)12時41分 投稿者 パールちゃん
異常なほどの食欲を見せる原因としては、糖尿病などの代謝系疾患のほか、ステロイド剤を常用しているときの反作用などがあります。でも、それらに心当たりがなく、10歳を超えた犬でなんとなく活力が低下しているかなという場合はいわゆるボケ、認知症の初期かもしれないと思ってもいいでしょうね。ただし、病的にひどいとは考えず、若いころのようにいろいろなことへの興味や好奇心が薄れてきて、それが「食べる喜び」に向かっているだけなんだと考えるほうが状態をとらえやすいと思います。 でも、欲しがるだけ与えていては衰えつつある消化器官にとっては負担が大きすぎますから一度にどっさり与えないほうがいいですね。ゴハンはゴハンとしてこれまでと同じ量、もしくは少し減らしてもいいでしょう。 認知症を進行させないためには今までの生活リズムを守ることが最も大切ですから、ゴハンタイムは今までのままにして、間食をうまく取り入れるといいと思います。カロリーが多くなく消化のいいものを。一口か二口だけおやつをもらってなぜなぜしてあげるだけでも老犬は生活に張りや喜びを感じてくれます。 で、悲鳴のように鳴いたり、甘えたり、まだ症状は出ていないようですがうろうろと歩き回る徘徊などの様子が表れるとき、これらはたいてい排泄をしたがっているサインです。若いときのように排泄の我慢ができず、ちょっとたまっただけでも出したくなって苦しいのです。散歩のときにしかしない習慣の子はこうなるとつらいですね。「連れてって、連れてって」と訴えます。一度で全部出なくなったりもするので、30分前に散歩に行ったのにまた「連れてって」も起こります。それに対応してあげるか、いつでもどこでもしていいんだよと教えるか(高齢になってからでも教えることはできます)、若いころから外でも犬トイレでもどちらでもするように教えておくか、いずれかになるでしょう。 ハーハーがひどくなって苦しそうに座り込んでしまうというのでなければ散歩を減らすことはないと思います。心臓に負担をかけない程度のゆっくり歩きなら、ハーハーせずに帰ってこられるくらいの時間・距離は続けるほうがいいでしょう。手足を動かすことで全身の血行がよくなって、それが食べる・出す・眠るの基本リズムを守ってくれるだけでなく、神経の衰えを予防してくれるので手足のマヒなどを起こしにくくしてくれます。適度な運動ってホントに大切です。これはNHKで放送された「老犬クー太」のなかでクー太のおかあさんも言っていましたし、我が家の高齢犬を見ていてもまったくその通りだと思います。 ここ何ヶ月かの間でうちの最長老犬はだいぶ認知症が進んできました。夜中ずっと徘徊したりして最初のころは「なんで寝ないんだろう」と困りましたが、そういうときはうんちかおしっこをしたいときだとわかってからは、「こっちだよ」と庭に誘導して排泄をさせるととたんにすっきりしてぐっすり朝まで寝てくれるようになりました。 したいのになかなか出ないときもあります。そういうときは「きっかけミルク」と呼んでいますがほんの少しあたためた牛乳を飲ませると胃と腸が動き始めてじきに排泄します。 今では徘徊を始めたときの足の運びや頭の下げ方やしっぽの角度でウンチをしたいのかおしっこをしたいのかがわかるようになりました。 どんなときにも犬はサインを出しています。「おしっこがしたいよ」「うんちがしたいよ」「痛いよ」「苦しいよ」「かゆいよ」と。老犬になると身軽に動くことがだんだんできなくなりますから、飼い主は犬が出すサインを受け止めてうまくサポートしてあげられるといいですね。
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