新入りさんは先住さんと楽しく遊びたいだけです。自分が上位になりたいとアピールしているわけではありません。犬には犬の世界があり、犬同士の関係は犬同士が決めていきます。先住さんをかばって新入りを飼い主が叱るのは「手出し・口出ししてはいけない領域」です。これが、飼い主として２頭にどのような態度で接したらよいかについての答です。新入りさんが先住さんに無茶なことをしても、耐えられなくなった先住さんが新入りさんに反撃して牙をむいても、飼い主は見守ることです。手出し・口出しするのは、一方がごめんなさいを言っているのにもう一方が攻撃を続けるとき、それ以上やると命にかかわるときだけです。そのぎりぎりまで見守ることはできますか?
5歳で6kgでその性格なら、先住さんはいずれ新入りさんに組み伏せられて頭が上がらなくなると思います。おどおどしたまま一生を送るか、上手に媚を売って波風立てずに共存する知恵を身につけるか、いつか報復してやると虎視眈々と攻撃の機会を狙うか・・・先住さんがどうなるかはわかりません。ビーグルの気質と柴の気質を合わせもっているので、先住さんの心のなかでは葛藤が続くかもしれません。
新入りさんがビーグルなのが救いです。幼犬期の遊び盛りを過ぎれば温和な仲間意識に変化していくと思いますので、相手がいやがることは自分からすぐにやめるようになっていくでしょう。そのためにも、「なにをすると相手はいやがるのか」を今のうちにたっぷり経験させておくのがとても大切です。
将来うまくやっていくには、今が試練の時ですね。いやだ、いやだ、なんでこんなのが来たんだと思っている先住さんにとっても試練ですし、ハラハラしながら2匹を見ている飼い主にとっても試練です。
先住さんにちょっかいを出すのをやめさせたいからという理由で家の中でも新入りさんにリードをつけているなら、それは2匹の関係にとっていいことではないのでリードからは解放してあげてください。どちらにもコミュニケーションの取り方の勉強になりますから、自由に近づける・自由に離れられる環境にしてあげてください。