獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-199806-20

猫のおなかは日向のにおい
投稿日 1998年6月8日(月)15時07分 寝子

一度外出自由を覚えてしまった猫を完全室内飼いにするのは、きっと不可能だと思います。かえって閉じこめることによるストレスの方が心配です。
外出の時間や回数を減らす程度しかないでしょうね。
でもそれも高じてくると、もともと野良出身のおかあちゃんは息苦しくなって、本格的な家出をしてしまうかも知れません。

勝手な意見ですが、私はノラというのは、別の種の猫だと思っています。
人間と一緒の生活が出来て、束縛されるても気にならない、でもそれと引き替えに猫は安全な暖かい寝場所と豪華な食事を手に入れているわけですが、生まれついてのノラにはそれは無理な要求です。小さいうちに拾って、野良猫の生活を覚える前に、人間社会のルールを教え込んだなら、適応できるかも知れませんが、それでも、中には無理な子がいます。

中学の頃、拾って飼っていたキジ猫の駒子がある日、網戸を破って家出してしまいました。
発情が来ていたのですが、そのころの私にはそんな知識がなくて、本当に心配して探し回りました。
2日後に彼女は何事もなかったように帰ってきて、63日後に3匹の子猫を出産しました。(私の初ブリーディングです!)
生まれたのは駒子と同じキジ猫ばかり…きっとお父さんもキジ猫だったのでしょうね。成長するにつれて子猫の性格がはっきりしてくると、2匹は駒子そっくりで人なっこい、甘え上手、でも1匹は、私がほ乳して育ててやったのにさわろうとすると本棚の裏へ駆け込み、出てこなくなるような神経質な臆病さんでした。いつも身体を低くして、上目遣いで注意深く私がどこへ動いて、何をしようとしているのか観察するような子猫らしくない子猫でした。なつっこい性格のよい子猫はすぐに貰い手がつきましたが、結局鈴子と名付けたなつかない子猫はずっとうちに残り、ほとんど身体を触らせることもなく、最後には人がいると本棚の奥から出てこなくなり、姿を見るのもまれになるほどでした。食事は置いておくと、家人がいなくなってから食べていました。
ただ単に、お父さん猫の性格が悪くて、それに似てしまっただけかも知れませんが、私にはその性格こそがノラだと思えました。鈴子はきっと生粋のノラだったのでしょう。
人のぬくもりが恋しくて、身体をスリ寄せて甘えることが出来る猫とは一緒に生活することが出来るかも知れませんが、ノラとしての誇りを持った猫、手を出すと、スッと避けて行ってしまうような猫は、人間が踏み込んではいけない猫の世界を持っているような気がします。

じゅんじゅんさん、
ある程度大きくなった猫は、あまり遊ばなくなってしまいます。寂しいですケド…
ノラ出身のお母ちゃんのような猫の場合は、向こうからかまって、ってくる以外はほっといてやる方が良いと思いますが、いかがですか。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。