ネコ掲示板過去発言No.1200-199806-32
ママにゃんこさんへ |
投稿日 1998年6月18日(木)21時45分 寝子
私は獣医師ではないので、あまり責任のあることは言えませんが、先にも書いたように猫風邪は空気感染します。 だから、他の猫のウイルスを服や靴につけて家に帰る、外を歩いている猫があなたの家の網戸越しにクシャミをしない、とは限らないので、ワクチンは定期的に接種することをお勧めします。 ワクチンを接種していても猫風邪には感染してしまいますが、接種していない猫に比べると症状は軽くで済みます。人間のインフルエンザウイルスと同じで、猫風邪のウイルスも様々な形に変化しています。だからワクチンとウイルスの形が少し違っているとワクチンの効果は半減してしまうのです。 猫風邪はこのように完全に防げませんが、もう一つの猫パルボウイルス(猫ジステンバーとも言います)、非常に強い感染力と宿主なしでも数ヶ月から数年生き続けるやっかいな、また感染したら死亡率も高い恐ろしい病気からは猫を守ることが出来ます。 でもまれに、何回ワクチンを接種しても抗体があがらず感染してしまうかわいそうな猫もいます。私の知り合いの猫も、それでパルボにやられてしまいました。そこも完全室内飼いでしたが、網戸越しに野良猫が遊びに来ていたそうです。 ワクチン接種後ぐったりしていたとの事ですが、「滅多にないお出かけが大嫌いな獣医さんで、行って帰って疲れてしまった」のかも知れません。 本当に心配な症状は、ワクチン後2−3時間で発熱・よだれ・嘔吐・顔のむくみがあった場合です。そのときは速やかに獣医さんに診てもらってください。 微熱が出る・じっとしている・身体を触ると痛がる、などの場合は様子を見て翌日になっても容体が変わらないようなら、病院へ連れていってください。でも大概は半日もするとケロッとしてますけど。 ワクチン接種に行くときは、発熱・発疹・涙目・目やに・鼻水・耳垢・涎・クシャミなどがみられない。 食欲がある。 便・尿の状態に変化がない。 寄生虫がいない。 発情中・妊娠中・授乳中でない。 等々…いつもと違うと感じれば、その日は避けた方が無難でしょう。 なお、ワクチン後1週間は外出・シャンプーなども避けた方がよいでしょう。 長くなっちゃいましたが、後、ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。生ワクチン(弱毒性ウイルス)はウイルスを何代も重ね毒性を弱くし、体の中で増殖できるようにしたものです。早く・長期にわたり・高い免疫生をあげることが出来ますが、弱毒化されているとはいえウイルスを身体の中に注入するわけです。 不活化ワクチン(死菌ワクチン)は、ウイルスの活性をなくしたもので、毒性の形を変えて安全性を高めたものです。生ワクチンに比べて安全性は高いですが、免疫があがるのに時間がかかる・免疫期間が短い・まれに打ったところに潰瘍が出来るなどの副作用が見られることがあるそうです。 どちらを接種するか、先生にご相談ください。 ワクチン接種、定期的に考えてあげてください。 これからの季節は特に猫風邪がはやりますから。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |