獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200201-59

ごはんについて−
投稿日 2002年1月17日(木)11時29分 楓

猫は完全な肉食動物です。
犬は雑食です。もちろん人間も(^_^;)
だから猫には猫だけに必要な必須アミノ酸が色々あります。
手作りのエサで頑張られている方も知っていますが、猫の栄養素を全部満たすのは至難の業です。
ドライフードだけを与えるのは無味乾燥で味気なさそうで、飼い主としては気が引けますよね。でも現在簡単に購入することができて、猫の栄養素を完全に満たしているものは、ドライフードが一番なのです。缶詰でも「総合栄養食」と明記されているものは安心ですが「一般食」などと明記されているものだけを与えていると、やはり猫の栄養は偏ってきてしまいます。

話が飛びますが、アレルギーになってしまった猫には試験食として一種類のタンパク質だけを与えてみる治療法があります。この場合でも最長は半年間でそれ以上この治療を続けると猫の体に変調が起きてくる可能性があります。だから一つのもの、栄養の偏ったものを与え続けるのは半年程度がリミット、といえます。

そう考えてみるとドライフードはそれと水だけで猫の栄養をすべて満たしてくれるので非常に効率の良いエサだといえます。

はなさん>
猫ちゃんがドライを喜んで食べてくれているんだったら、それで良いと思いますよ。缶詰はおやつ程度と考えてたまにあげるくらいの方が目先が変わって喜ぶかも知れません。

にゃんちゅうさん>
確かに市販されているドライ・缶詰の中にはきちんと猫の栄養素を満たしていないものがあります。
判断基準となるのは、袋の裏側などに印刷されている「総合栄養食」という文字ですが、これも日本ではペットフードの団体が集まって自主的にアメリカの基準を元に製作しているものです。(そのアメリカの基準もかなり古いものなので、個人的には見直して欲しいなぁ〜と思っているのですけど(^_^;)
ペットフードの中にはプレミアムフードと称されるものもあります。
これは特に材料から厳選してフードを作っている、とメーカー側が主張する通常よりも高い価格のフードのことを指しているようです(非常に曖昧な基準ですけど)。
どれを選択したらよいのか迷うほどたくさんの種類がありますが、最初に書いたように「総合栄養食」という文字と、猫が好んでそのフードを食べる、というのが選択基準ではないでしょうか。

蛇足ながら猫は本来腎臓や肝臓の機能が悪くなる可能性の高い動物です。
年を重ねるに従って、猫の腎・肝機能は落ちていくのが普通です。だから年齢にあわせたフードを選択することは非常に重要だと思います。
キトン・アダルト・シニアなど年齢用に用意されたフードの栄養配合分量を気にしてみてください。高齢の猫に高蛋白の食餌を与え続けていると、普通の猫よりも早く腎・肝機能が低下してくるでしょう。

我が家での経験ですが、7歳以上の猫にシニアとライトのドライを混ぜて与えるようになったら(それまではアダルト食)、前年度の血液検査で肝機能の数値が高く問題があったのに次の年の検査では価が正常値に戻りました。
エサは飼い主さんが勉強してきちんと選択してあげないといけないんだなぁ〜と実感したものです。


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