獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200401-125

>皮膚病
投稿日 2004年1月29日(木)15時24分 こば

毛が抜ける原因としては、寄生虫・ノミ・ダニ・カビ・アレルギー・アトピー等に
よる皮膚病や皮膚炎が考えられます。
いずれも、猫が痒がり、自分で患部を噛んだりして、症状を悪化させることが
ありますので、獣医による早期治療が大切です。
(初期の場合は、そんなに痒がらない猫もいるとのことです)

病気でもないのに、脱毛する主な原因では、心因性脱毛(過剰グルーミング)
があります。
猫は、強いストレスを感じる環境に置かれると、そのストレスから逃れるために
いくつかの行動を行いますが、その代表的なひとつが過剰グルーミングです。
皮膚病と過剰グルーミングの見分け方は、(これはあくまでも目安ですが・・・)
〇ノミなどの外部寄生虫がいない。
〇皮膚がキレイである(湿疹・出来物がない)
〇舐めやすい範囲だけの脱毛である。
〇残っている毛が、噛みちぎられたように毛羽立っている。
等の条件を満たしていることです。自分で噛んだ傷等がある場合もありますので、
カサブタが出来ている=皮膚病とは限りません。
また、ちぎれた毛が毛羽立っているというのは、肉眼では分からないかもしれま
せん。
はっきりと区別するためには、エリザベスカラーを付けて、自分で舐められない
ようにして、症状の経過を観察することです。

神経質な猫ちゃんだと書かれているということは、自分でグルーミングをしつこく
する行動が見られるのでしょうか?
心因性脱毛は、人間から見れば、本当に些細なことから起きることもあるようです。
例えば、可愛がってくれていた家族の誰かが、事情で家を離れてしまったとか、
一緒に暮らしていた猫がいなくなったとか、或いは、新しい人間や猫が部屋に
やって来たとか、部屋の模様替えをしたとか、変わった例では、自分のくつろぐ
場所に、物やぬいぐるみが置かれたとか・・・。
ストレスの原因を特定し、取り除く、もしくは改善することが一番の近道ですが、
原因を特定したとしても、それを改善できない場合もありますよね?
例えば、同居猫にストレスを感じている場合とか、家族の誰かが別居している状況
では、それを変えるということは困難です。
その場合は、その猫により多くの愛情をかけて、同居猫などが増えた場合には、
しばらくの間離して飼うなど、慣れるのを手助けしてあげるしかありません。
過剰グルーミングは、猫の心の悲鳴です。
ほおって置くと、下痢や嘔吐を繰り返すようになったり、原因不明の食欲不振に陥り、
急激に痩せてしまうケースもあるようです。
♂猫の場合、テリトリーに対する執着が強いので、特に環境の変化には注意して
あげて下さい。(去勢によりテリトリー意識が和らぐ子もいますが、個体差があります)

あと、ここでは別件にしましたが、首輪の回りの脱毛について、私も、獣医さんに
相談したことがありますが、首輪をしている部分の毛が擦れてしまうのは、首輪を
している猫ちゃんには避けようがない問題みたいです。
カサブタが出来るほど擦れてしまっているのであれば、首輪を堅い皮などではなく、
柔らかい布や、編物で出来た物に変えて、時々首輪の下をマッサージして血行を
良くするなどの工夫をしてみて下さい。
また、首輪と首の余裕には、常に注意が必要です。(必ず指2本が余裕で入るように)
首輪回りの多少の脱毛は仕方ないことですが、カサブタができているほどなら、それも
ストレスに繋がっているかもしれません。(痒かったり、違和感があるでしょうから)

長々と書きましたが、お腹からお尻の辺りまで禿げてしまったというのは、かなりひどい
状態ですので、念のために、一度かかりつけの獣医さんに診て貰うことをお勧めします。
人間の病気と同じで、早期なら早期ほど治療も簡単に済みますし、親切な獣医さんなら、
原因解明に力を貸して下さると思います。

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