獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200710-46

Re:猫の目のケガについて
投稿日 2007年10月22日(月)10時30分 投稿者 プロキオン

>医者の診断によると人間のいたずらみたいです。

これは、どうなんでしょうね。診察していない者が実際に診察したうえでの判断に疑問を呈してしまうのは、物凄く変なことであって、マナー違反でもありますが、実際に診療に携わる者の経験からの意見としてお見逃し願います。

まず、両目にケガという時点で不自然さを感じます。これは猫の正面から何かしたということになります。
私の経験の中にある片目を損傷して角膜に孔があいていた猫は、投げられた石の破片が眼に刺さったというものでしたし、液体をかけられて角膜の糜爛という例でも片目の損傷っでした。つまり、なんらかの危害を加えようとしても正面から眼だけを狙ってというのは、極めて難しいです。まず、猫が危険を察知して逃げますし、猫も身をかわしますから、両目ともいう損傷は受けにくいのです。
また、同じように打つというような動作でも、何をぶつけるという行為であっても瞼の反射は極めて早いので、眼に傷を負うよりも瞼や額あるいは鼻梁に傷を負っているということの方が普通であると言えます。これは何も猫に限らず人間でも同じことが言えると思います。
ですから、額や瞼に外傷がなく、両目に傷を負うという事が生じているのであれば、嫌なことを想像してしまいます。それは、あまり大きくない物で至近距離から直接眼を狙うことができる者がやったこととなります。
「いたずら」というよりも、もっとハッキリとしたものになっちゃいます。

気持ちとしては、鼻気管炎からくる結膜炎であって欲しいですね。こちらであっても、重篤なものは、角膜が見えなくなるまで結膜が腫れていて、角膜表面もバリバリになっていたりしますから。
病気のものであれば、治療してあげればよいだけなのですが、人間が関わって負わせた損傷であれば、治療する間にも嫌な気持ちを引きずっていないとなりません。病院を閉めたくなってしまうのは、そんなときですね。

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