ネコ掲示板過去発言No.1200-200711-71
Re:草と間違えてネギ類を食べてしまったのですが.... |
投稿日 2007年11月21日(水)11時32分 投稿者 プロキオン
すでに けりーずはうす先生からのレスがついておりますが、私も「タマネギ中毒」という題目で「動物よくある相談」の方で これについてしたためております。おちついてからでけっこうですので、一読されると今後の参考となると思います。 ネギ類の中毒というのは、赤血球の破壊による貧血を主症状としますが、これには、原因物質が体内に摂取されることと、これによって「ハインツ小体」が形成されること、そして自らの免疫機構によって赤血球が破壊されるという3つのステップがあります。 おのおのの段階によって、動物種、品種等による差があります(摂取した量も当然かかわりますが)。 したがいまして、一見無症状から血尿・貧血、そして斃死までとさまざまに症状の強弱がでてきます。体内における化学的な反応は、外観とは異なって、必ずおきていますので、その点を忘れてはならないでしょう。 治療法は、赤血球を破壊から守ってあげることと、余計な原因物質にはさっさと退場していただくということにつきます。 余談になりますが、このネギの仲間による赤血球破壊というのは、人間でもあります。同じ現象は、実は人間の体の中でも起きています。 漢方の方では、「ネギは血液を新しくする」という捉え方をします。これは、ネギを食べることによって、被膜の弱くなっている古い赤血球から、脾臓で破壊されることに由来しています。赤血球が壊されて減少するので、その信号を受け取った骨髄は、急いで新しい赤血球を製造するということになります。つまり、ネギを食べることによって赤血球を更新して新しい赤血球を増やしているということになります。 ネギ類に含まれている原因物質に対する感受性が、人間では低いので、害とするよりも益とする部分が役にたっているということになります。むろん、食べ過ぎれば、人間でも血尿となるようですよ。 「薬」というものは、大抵のものが、このような両面性をもっています。 動物よくある相談のURLを張っておきます。 |
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