獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200801-77

Re:子猫について
投稿日 2008年1月20日(日)13時07分 投稿者 プロキオン

>子猫にうつワクチンは三種と五種どちらがいいでしょうか?産まれて一度目のワクチンです。これからの事を色々考えれば、五種がいいですか?

猫の混合ワクチンには、3種・4種・5種・7種とあります。また、白血病のついては、単味ワクチンもあります。
前回の話の流れからで、白血病を意識してのことであれば、白血病を対象としているワクチンでないとならないですね。でも、他の疾病に感染してもよいということではありませんから、この場合は4種以上の混合ワクチンを接種した方が良いでしょう。
「これからの事を色々考えれば」の意味が分かりかねますが、どのワクチンが特にすぐれているということはありませんので、何を予防したいかで考えればよいだけのことですよ。これでなくてはならないということはありません。


>ワクチン後の副作用が心配ですが、五種ワクチンを打っても死ぬまでの事はないですよね?教えて下さい。お願いします。

何事にも100%の保証はありませんので、「死ぬまでのことはないですよね?」とありますとお答えができなくなります。
何万頭から十数万頭について1頭くらいの確率であれば、死亡事故もありえないことではありません。この確率と、猫が病気にかかってしまう確率とでは、比較にならないので、より現実的で確実な選択をしているということになります。
先にも述べましたが、白血病のウイルスへの接触率は、かなり高く、平均的な汚染率が20%代から30%になります(数値の違いは、報告者による相違です)。キャッテリーであれば、猫のオールインオールアウトを図れば、正常化は可能ですが、各家庭においての話であれば、情としてそれはできない事でしょう。だから、ワクチンが必要なのですよ。

病原体を根絶させるということが目的であるのであれば、実はワクチンを使用せずに、感染した個体を淘汰していく手法の方がより確実で早いです。
したがって、牛豚鶏等では、検査と淘汰では追いつかないレベルにまで汚染が進んでしまってから、ワクチンが投入されます。
ワクチンの利用が推奨される状況というのは、個々の個体がいつどこで病原体と接触するかわからないからこそ、事前に備えるという事になります。

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