猫がグルーミングしているのは、気分の良いとき、あるいはくつろいでいるときというのが世間一般の解釈なのですが、何か失敗をして取り繕っているときとか、緊張や不安のときにも行われます。
おそらく本人は、自覚の無いままに緊張や不安を取り除こうとしているのではないでしょうか。当然、何らかのストレスを感じていれば、それを緩和しようとしてグルーミングが発現するということもあります。そして、そのストレスが根本的に解決されないで継続していたりしますと、神経症として過度のグルーミングによる脱毛も見られるようになります。それが俗に言う「ストレス禿げ」のことですね。
もっとも、皮膚炎や掻痒があって舐め続けているということもありますので、そこはそれキチンと原因を確認しておいてあげる必要があります。

このストレス禿げについては、原因をどうにかしないとならないのですが、どうにかできない原因もありますので、当事者の猫にとっては困ったことになると思います。
よく「動物病院で飼われているのだから、この猫は幸せだね。」と言われますが、動物病院で飼育されているということは、猫にとってはストレスなのだということが理解されておりません。ストレス禿げを見れば、それが思い込みに過ぎないということが分かる人にはわかるのです。
普通の家庭で、１〜２頭で大切に飼育されているほうが猫の幸せだと思いますね。

話がそれましたが、舐めてグルーミングすることそのものは、どうということもないですし、ほほえましい光景です。
ただ、そのような行為をしつづけないとならない理由や原因が存在することが問題なのです。猫本人は、もうそうしていないと不安でならないのですから。