ハムスター・リスなど齧歯類掲示板過去発言No.1300-201005-76
Re:電気メスによる火傷 |
投稿日 2009年10月2日(金)11時22分 投稿者 プロキオン
電気メスは、熱を利用して切開・止血をしていますので、火傷ということはありえます。 切開が「焼き切る」、止血が「熱による凝固」と考えていただくとわかりやすいかと思います。それが問題とならないのは、その程度をコントロールして可能な限り利便性のある点だけを利用するようにしているからです。 それが、アースの不良があったり、揮発性の高いガスがあったり、他の手術器具(金属)との接触等々、なにかしらの原因があって、電気メスから火花がとんで発火してしまうという事態はありえます。患者に火傷を負わせてしまうことがあるので充分に注意するようにという主旨の獣医師雑誌の記事を読んだことがあります。この記事は、実際にあった事例として記述されていましたので、御質問の「このような事があるのか?」という問いには、「あります、もしくは、ありました」という返答になるかと思います。 実際問題として、ガス麻酔に使用される麻酔薬は、いずれも揮発性が高く常温ではたちまち液体からガスになって胡散霧消してしまいます。これが本当に消えて無くなってしまっていれば良いわけなのですが、ある一定の濃度以上にガスとして溜まっている場所があると、燃焼材料となってしまいますし、燃焼を維持するための酸素も流されていますから、「火」が発生する要素はそろっている事になります。 まあ、このように書いてしまうと、手術室はそんなに危険な場所なのかと受け取られるかと存じますが、「こういう事態が起こりえるから、このような点に注意するように」という電気メス利用上の注意があるのです。それらを遵守していれば、めったに遭遇することではないでしょう。人間や動物の手術において使用されている電気メスの数を考えれば、まずもって防止できるものだと考えています。
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