獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200407-17

不正咬合
投稿日 2004年7月6日(火)02時29分 投稿者 チーママ

奥歯が横に伸びてホホを傷つけている。
目に各種症状が出ている。
通常これだと全身麻酔で奥歯の処置をする対象に
なると思うのですが。
現実口の中に傷がついていると言うのは、私達でいう
ひどい口内炎状態ですから、かなりいやですよね。
レントゲンは撮りましたか?とればどれくらい症状が
進んでいるか分かります。
もう一件、ウサギをよく診る獣医さんへ行ってみることを
オススメします。つまりセカンドオピニオンです。
両者とも同じ事を言うなら、納得できますよね。

さて不正咬合ですが
@奥歯が伸びすぎて口の中や、舌を傷つける
 この時点で、食べにくそうにしたり、よだれが出たり、
 不快で歯ぎしりします。歯ぎしりは、なでて気持ち
 良いときと同じだと思ってください。要は何もされて
 いないのに歯ぎしりをするのは不快・痛みのサインです。
 私達が口内炎がひどくて、泣きたくなるのと同じです。
Aレントゲンを撮ると、歯根が伸びている
 これが怖いのです。このままほっておくと膿瘍になります。 
 ですから見えている部分が何ともなくても、歯根が伸びて
 内部から悪化していることがあります。このときも食べると
 痛むので、食が落ちたりします。硬いペレットを与えてい
 ると、なりやすいようです。
 これになると、目やにが出たりと目に症状が出ます。
 ちょうど私達なら歯の根元にばい菌が入り、炎症をおこし
 モノを噛むと痛む、って感じです。ひどくなればジンジン
 うずいてきますよね。リンパ腺も腫れて、顔半分が重くて
 絶対歯医者さんへ行こう!って思うはずです。
この時点で獣医さんで処置をしてもらえば、まだ良いです。
いったん膿瘍を形成すると、長期覚悟となります。手術も
必要です。
歯根の伸びがひどい時は、抜歯もあるのですが、ウサギの
歯は特殊なもので、人や犬猫のようには抜くことが出来ません。
かなりの技術と経験と設備が必要ですので、ウサギをよく診る
獣医さんは、少し遠くてもいざと言う時のために探しておきま
しょう。 
ただし、ウサギさんの歯の治療は全身麻酔です。そのリスクも
当然頭に入れなくてはなりません。ですから、あまり食が落ち
てからだと、全身状態がわるくなり、麻酔のリスクが増します。
その辺りも、病気はケースバイケースですから、獣医さんと
十分に相談することをオススメします。最後に治療方法を選ぶ
のは、飼い主自身です。
そして不正咬合は「食欲もある。歯ぎしりなし。よだれなし。
目の症状なし」でも、かなりひどくなっている事があります。
ですから、定期的に歯の健診はしておくほうが良いですよ。
歯のトラブルは、ひたすら牧草を食べさせるという予防方法
しかありません。間違っても固めのペレットで歯が磨り減る
だろうとは考えませんように。

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