獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200509-89

Re.術後の食欲が無くて
投稿日 2005年8月30日(火)21時38分 投稿者 チーママ

もこママさんご心配ですね。
オペはいつでしたか?保温はしていますか?

この夏場に?って思われるかもしれませんが、全身麻酔後の
体は冷えるようです。
実際私がオペをした時(5月)に手足が冷たかった経験が
あったものですから、我が家のウサギが避妊・去勢をした時に
(11月)、部屋の暖房とは別に電気座布団を使いました。
2匹一度でなく、1週間ほど施術をずらしたのですが、
最初は気がつかず、なかなか回復が進まず気をもみました。
その後気がついて電気座布団を下に敷いたら、みるみる
よくなりました。
2匹目は最初から暖めましたので、3日目には動き出し
野菜を食べだしました。
また6月に歯の処置で全身麻酔をかけた時も、保温をしました。
人間と同じに、体が冷えるとお腹の動きも血の巡りも悪くなり
回復が手間取るような気がします。
以来オペをする飼い主さんには「術後の保温」をお勧め
しています。
この夏場でもペットヒーターを低温設定にすれば、使える
かもしれません。もちろん風は当たらないように気をつけて。
暑ければ移動できるスペースを作ることを忘れずに。
人間用に部屋にクーラーをつけているようなら、一層気をつけて
あげてください。

あと、脱水症状や回復不良による発熱には気をつけてくださいね。
私達飼い主では、直腸温を計ることが出来ません。
ではどうするのか。耳の付け根を軽く握ってみてください。
発熱していれば熱いはずです。微熱ならジンワリと熱くなります。
暖かいのではなく「熱い」です。
反対に冷たいなら、体が冷えています。
元気な活動期の「耳が冷たい」ではなく、本当にシンと冷えた
感じです。ちょうど冷え性の時の手足って感じです。

さて水分補給は、この際何でも良いかと思います。
理想では野菜ジュースやパイナップルジュースでしょうが、
飲んでくれなくては何もなりません。
オレンジでもりんごでも、飲んでくれることが先決ですね。
あまりにも飲まない日が続くなら、病院で点滴も相談して
みてください。
少量のジュースを作るには、おろし金が便利です。
菜物はたたんで束ねて固めてすりおろす。りんごなどもすり
おろす。かんきつ類はそのまま絞れますね。
これらを100円均一などで売っている茶葉を入れる白く四角い
袋がありますね。それに入れて手で絞れば、相当量が作れます。
こうしてこした物ならシリンジ(注射筒)が詰まることなく、
少しずつ口に入れてやることが出来ます。
ウサギは門歯(前歯)と臼歯(奥の歯)との間に歯がなく
歯茎だけの部分があります。横からそこにシリンジを入れれば
比較的飲ませ易いとは思います。
液体だとこぼれてしまって困る時は、獣医さんでクリティカルケア
をいただいて、それをどろどろに溶かした物を与える事も
考えられます。
クリティカルケアは牧草などを主原料に細かい粉にしたもので、
強制給餌に使うものですが、ハーブのような香りがあり、薬など
の匂いや味を緩和してくれることが期待できます。
水分(水やジュース等)の量を加減することで、どろどろから
お団子が出来るほどの硬さまで、状況に合わせて使い分けます。
実際我が家はコレで薬を飲ませましたが、もともとコレが大好物
なのでとても助かります。
お腹の細菌藪のバランスが崩れてお腹の調子が悪い時にお役立ちです。
ただし、病院でしか売っていません。
あとは普段好きな野菜や果物、何でも与えてみましょう。
何が引き金で食欲が戻るか判りませんから。

気をもむ日々が続くことと思いますが、3日・5日・1週間
をポイントに、獣医さんとこまめに連絡を取りながら看病して
あげてくださいね。
一日も早い回復を祈っています。

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