ウサギ掲示板過去発言No.1500-200511-50
ウサギと犬の違い |
投稿日 2005年11月12日(土)13時24分 投稿者 チーママ
ご主人は犬と同じように考えて「躾」とおっしゃってるのかもしれませんね。 この世には多種多様な動物がいますが、本来の習性や本能を考えないと 動物飼育が難しくなることがあります。 犬は捕食者です。そして群れで暮らす、つまり社会性のある動物です。 協力して、狩をしたり、仲間を守ったり、子育てしたりします。 群れの1頭を救うために戦うこともあります。 その為には確固としたリーダーと上下関係があって初めて、群れとして 有効な行動が取れるわけです。ですから上下関係が上手に作れない犬は 群れからはじかれますし、下手をすると飢えるでしょう。 さて、話を戻して。ウサギはどうでしょう。 私はウサギの研究者ではありませんし、群れを観察したこともありません。 今のところ私が「きっとこうだ。」と理解していることですから、間違いもある と思いますが、以下述べてみますね。 私達が飼っている穴ウサギ属は確かにテリトリーを持つ群れで暮らす動物です。 群れを作るからには上下関係を作ります。群れには1頭の強いオスの下に、下位 のオスが少数いるようで、それぞれに複数のメスがついています。 上下関係を作るには普通直接相手を攻撃するのではなく、地面をホリホリしたり におい付けをしたりと言う方法がとられ、直接手を出すのはどちらも引かない時です。 ですから噛み付くと言うのはよほどの時であり、そういう時は時に相手が死ぬ 程の怪我をすることもあります。 このテリトリーをしっかり守り、攻撃をも辞さなくなるのは、繁殖時期であり 繁殖時期以外は、比較的縄張り行動は控えめになります。 つまり、一般にいうサカリの(つまり性衝動が強い)時期は、特にオスでは 「俺は男だ!えらいんだ!」って表示をします。スプレー行動もします。 あちこちにおしっこをしたり、糞をしたりするのも、縄張り主張。 この傾向が強いオスは、人間をかむかもしれません。 彼にしてみればお世話している人間も「いつも縄張りには行ってくる奴」 であり、「昨日は許してやったが、今日は許さない」と咬み付くかもし れません。 また、「このメスを俺の群れのメスにしよう」と思ってちょっかいを かけたが、なかなか服従しないので「服従しろ!」と咬むかもしれません。 そのあたりの心境はウサギに聞かなくては分かりませんが、いずれにせよ 性衝動が強い間はやむことがないでしょう。 反して、一年の半分は性衝動が抑えられ、新しい仲間が外から来るのを 許す時期です。つまり野生化(あるいはウサギ公園など広い場所で群れ飼い されている)ウサギにとって、そうした行動が強くなる時期と、抑えられる 時期があるのは自然なことです。 (以上は「ウサギの不思議な生活」という本を読んで考えたことです) 室内飼いのウサギたちは人間と一緒に暮らしているので、ともすれば冷暖房 完備。ですから、年に2回の毛の生え変わりが狂ったりします。 つまり、四季による温度や環境変化がないに等しいという事です。 という事は、若さからの性衝動の強さがずっと続くという事もありえるでしょう。 さて躾けに関係する学習能力についてですが、犬は群れで行動し狩をするタイプ。 その為に高い学習能力を身につけています。群れを守るという意識も高ければ、 リーダーに従うというのは本能的なことです。 反してウサギは敵の接近を察知して回避行動をとったり、繁殖するための群れです。 あくまでも被捕食者です。学習能力の差があるのは本来のあり方により、当然の 事でもあります。それでも本来の習性を利用して、人間と暮らしやすいように 条件付けをすることは出来ます。ですから犬の躾けとウサギの躾を同等に考えると、 時にイライラすることになります。 また本来の犬の躾けにおいても「叩く」「大声で叱る」というのは、特に犬種に よっては逆効果にもなります。プロのトレーナーは決して大きな声も出しません し、叩くなど決してしません。力も大声も必要ないのです。 ご主人が「男として去勢されるのは」とお考えならば、「男として力ずくで怒鳴 られながら従わさせられるのは」と考えていただくと良いかもしれません。 そこに信頼関係がうまれるかどうかを。 そして、性衝動が収まる時期があるのが本来のウサギであり、周年興奮状態なのは いかがなものかと。その上、人間とも上手くいかず、叱られ、叩かれではストレス が溜まるのではないかと心配します。 これほど思うのも、私の一種のトラウマ、考えすぎかもしれません。 その昔、学校ウサギが噛み付きウサギとなって、小屋に閉じ込められ短命で終わった 事がありました。今なら彼の行動を理解も出来ます。噛み付くからと言って閉じ込め られたあの子は、さぞやストレスをためて亡くなった事かと思うと、やりきれなく なるのです。去勢してでも、もう少し子供達と仲間達と穏やかに暮らせなかったかと。 決して躾ける、叱るがいけないとは言いません。叩くことすら、中にはそれで上手 くいくケースもあることでしょうから。ただそれで上手くいって、信頼関係が結べ たら、ウサギさんに感謝しましょう。これで完璧と言う飼い方はないのですね。 |
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