獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200512-71

訴える
投稿日 2005年12月20日(火)02時11分 投稿者 チーママ

最近は人間と同じように、動物にかかわる弁護士さんが出てきていますね。
素人がやるのは難しいです。
厳しいお話ですが、今回の経緯ですとかなり難しいかもしれません。
まず死因の直接原因はなんだったのか。
本来なら解剖所見が必要でしょう。
解剖所見で明らかに「過度の圧迫による心停止」とか「過度の圧迫による
窒息・骨折、あるいは内臓損傷」とでもなれば、獣医さんの落ち度です。
健康なウサギでもパニックでショック死することもあるようです。
それを知っていたとしても、経験不足からどの程度まで大丈夫か、手加減
が分からなかった。犬猫ならいつもしている。という事であれば、完全な
過ちと認めてもらえるかどうか。
またウサギさんがどのような状態だったのかも大きいです。
「適切な治療をしたら治る、あるいは延命が出来た状態だったのか」
「処置は適切だったか。あるいはその獣医さんが出来るだけのことはしたのか」
「きちんと飼い主に話した上でのことだったのか」
どうも、今回は飼い主とのインフォームドコンセント(同意と納得)が出来て
いないから、気落ちがこじれてしまったように思います。
もしその獣医さんが「ウサギの経験が少なく、申し訳ないことをしました」と
心から謝罪したら、奈義差さんも「訴えられるんですか?」と言う質問は
なさらなかったでしょう。
今となっては、もともとの病気が何で、どの程度だったのかが分からない以上
なんとも言えないところもあります。
また、私としても見てはいないのですから、安易な物言いは出来ません。
ただ、これだけは覚えていてください。
処置・治療を断る権利も義務も飼い主にはあるのだと。
物言えぬ動物に代わって、「もうやめてください」と止める義務があるのです。
とっても勇気がいることですが、とても大切なことです。
自分の子を守ると言うことなのですから。

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