獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200607-35

EM
投稿日 2006年7月6日(木)22時45分 投稿者 チーママ

そういえば、亡くなったウサギさんは何歳でオスメスどちらだったのでしょう?

さて、EMは乳酸菌や酵母菌等の善玉菌を液に混入させたもののようですね。
乳酸菌や酵母菌自体は問題はないとは思います。
(人の飲料としての商品もあるようですから)
問題は何の液を使っているかですね。
また商品説明には「動物が摂取(口に入れる)した場合」の安全性には
触れていないようです。
液が大量についた牧草を食べた場合、どれほど影響があるのかが問題
なのですが、こればかりは分かりませんね。
ごくごくと飲んだわけではありませんので、わずかな量で1日で死んで
しまうほどの毒性があったら当然人にも害があるでしょうし。

重くなった。これは亡くなったからでしょう。
抱っこするときは、ウサギも抱かれるように自分で体のバランスをとる
のでそんなに重く感じないのですが、死んでしまうと体重全部を抱く事
になるので大変重く感じます。
人間の子供を抱いていて、ぐっすり寝ちゃうととても重いのと同じですよ。

それよりお尻は汚れていませんでしたか?
バナナのようなウンチをしていたのは、多少お腹がゆるい証拠。
ウサギのお腹は多くの細菌がバランスをとって生きています。
ウサギは食べたものを細菌たちに分解してもらって、それを栄養として
吸収しています。ですから細菌たちのバランスが悪くなると栄養が取れ
なくなり弱ってしまいます。
ウサギの糞は、健康の目安なのです。
コロコロのウンチが出ているときは○。
つながりウンチ、バナナ形の柔らかウンチ、小粒のウンチなどは
お腹の中が黄色信号になったしるしで、ウサギ飼いさんは何らかの
処方をします。餌を変えたり、お薬を飲ませたり、獣医さんに
診てもらったりします。
下痢をしたり、小さいウンチだけになったり、ウンチが少なくなったり
したら赤信号。迷わず獣医さんへ行きます。
また、ウサギさんにはいろいろな病気があるのですが、定期健診する
ことがないので、病気に気がつかないことも多いです。
ウサギは野生では食べられる(捕食される)動物です。
弱っている所を見つかるとすぐに狙われてしまいます。
ですからハムスターやリスやウサギといった食べられる側の動物は
病気を隠すのです。だから「さっきまで食べていたのに…」という
事が起こります。
学校ウサギさんの場合は、獣医さんに診てもらえないことが多いので
とても心配です。

今回の事で考えられるとしたら、
元々体調が悪かった+消臭剤の何かがショックを起こさせる引き金になった。
位でしょうか。(死んだ姿が何かショック状態だったことを思わせますので)
消臭剤が悪いなら、もう1匹のウサギさんも亡くなっているはずですから、
本当の原因は別にあると思いますよ。
それでも気になるので、私なら敷き藁はすべて取り替え、えさ入れも洗います。

ところで学校のウサギさんの飼育環境はどうなっていますか?
金網の大きな小屋の中に、ウサギの隠れる小屋があるのでしょうか?
小屋は敷き藁を敷くタイプ?
それだとトイレは大きな小屋の床にする事になりますね。
床は土ですか? コンクリート?
本来ウサギはにおいのない動物です。
(居場所が分かって食べられないようにね)
糞もコロコロと乾燥していて、ほとんどにおいません。
(ウサギ独自の盲腸糞は別ですが)
におうのはおしっこ。それも時間のたった。
本来のウサギはトイレを決める傾向があります。
(これも、どこにでもしたら後をつけられて食べられますからね)
特におしっこは自分で決めた場所でします。
それを利用して、家で飼っている人はトイレでしてもらうように
慣らします。大人になると、ウンチは多少落とす事はありますが、
おしっこは必ずトイレでします。
ですからトイレをきれいにしておけば、ウサギは驚くほどにおいの
ないペットになります。
「トイレを決める」このウサギの習性を利用すると、学校でも工夫次第で、
匂いのない環境を作る事ができるのではないかと、いつも私は考えています。
これを機会に、ウサギの体のつくりや健康の事、病気の事、餌の事、怪我の事
ウサギの習性など、みんなで勉強してくださいね。
(もししているようなら良いのですが)
下記は学校飼育動物を考えるHPです。
http://www.vets.ne.jp/~school/pets/
出来れば学校の先生に見て頂いてください。
もし今学校のウサギの飼育について相談出来る獣医さんがいない場合は
見つけることも出来るでしょう。
飼育環境について、いろいろ相談も出来ます。

何かあれば、私にメールを下さっても良いですよ。
メールをする時は、この掲示板の上のほうの「お世話係り」の
名前をクリックすると、メールが出来ますから。
残ったウサギさんが幸せに暮らせますように。
心から祈っています。



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