獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200611-71

Re.麻酔、一度大丈夫ならずっと大丈夫?
投稿日 2006年11月18日(土)21時54分 投稿者 チーママ

まずは、「飼い主さんが変だと思ったら、やっぱり変」なのです。
獣医さんは毎日その子を見ているわけではありません。
毎日接している飼い主さんが「いつもと違う」と思ったら、どこか
やはり調子が悪いのです。
大昔のことですが国立小児病院の先生に言われました。
「医者が診て医学的にはなんともなくても、毎日見ているお母さん
 が変だと思ったら、やっぱりいつもとどこか違うんです。」
つまり早期発見は、母親だからこそできること。
動物も同じですよ。

たとえ獣医さんが見ても「別に悪い菌が出ているわけじゃないし」
と言っても、いつもより下痢がひどいと思うなら、やっぱり腸内
細菌藪のバランスが崩れているのです。
ほら、人間だって冷えておなかを壊すこともあるでしょう?
医学的に見るなら別に風邪のウィルスが悪さしているわけでも
ないのでしょうが、腸の動きが悪くなっているのには変わらない。
ほっておいて治ることもあるでしょうが、だんだんひどくなって
腸炎になることもある。
病原菌がいないなら、整腸剤をもらって暖かくして安静に、は
動物にもいえること。
飼い主さんは多少臆病なくらいで良いのです。
なんていっても動物は「おなかが痛いの。気持ち悪いの」とは
言ってくれませんから。
ウサギを良く診る獣医さんほど、そうした飼い主の見立てを
大事に受け止めてくださるはずです。

麻酔に関しては、確かに「かかりにくくさめにくい」子がいます。
そして、一度麻酔で眠ってしまった腸の立ち上げが悪い子も。
かかりにくくさめにくても、麻酔が覚めてもぐもぐ食べだす子なら
心配はないでしょう。反対に食べるのもなかなかの子なら、先生が
あらかじめそれに対処する処方をしてくださると思います。
歯の処置など、どうでもしなくてはならないものなら、やはり麻酔
のリスクをおかしてもしなくちゃなりません。
加齢により、麻酔に対して鈍感になるというか、かかりにくくさめ
にくい傾向は強くなるのではないかと思われますが、立ち上がりの
悪い子なら、あまりぎりぎりまで引っ張ってしまっては、食べられ
なくて体力が落ちてかえって危険なこともありますよね。
ですから、適度に体力があるうちにするのも、考えのひとつでは
あります。
その点も含めて、獣医さんとよく相談されたら良いと思います。

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