獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200701-76

Re:うさぎの子宮の病気
投稿日 2007年1月27日(土)20時03分 投稿者 チーママ

子宮蓄膿症と断定されたのですね?
では、人間が盲腸炎になったと思ってください。
盲腸炎をほっておくとどうなるでしょう?盲腸が破裂して膿をお腹中に
撒き散らし、腹膜炎を併発して命にかかわります。
ウサギさんの子宮蓄膿症も、ほっておけばどんどん子宮が大きくなり、
他の器官を圧迫して全身症状が悪くなります。
腸を圧迫し、食滞を起こすでしょう。
うさぎさんの食滞は命にもかかわります。いくら食欲を取り戻そうとしても
根本が排除されなくては、食欲は戻りません。
また下手をして破裂すれば、腹膜炎を起こして、おそらく助からないでしょう。
プロキオンさんの説明にある様に、蓄膿症はガンではありませんから、転移は
ありません。腐ってしまったところを切除すれば、治せる病気です。
反対にそのままにしておけば、必ず別れが待っています。

麻酔のリスクばかりに目が行くのはいかがなものでしょう。
確かにウサギは犬猫より命に遊びがありませんし、使える薬も限られます。
(遊びとは許容範囲と思ってくださればいいでしょう)
でもウサギをよく診る獣医さんなら、犬猫より管理を厳しくすることで、
リスクを最大限に下げる努力をしています。
万が一、蓄膿症と思って開腹したら腫瘍だったとしても、子宮系の腫瘍の
転移は乳腺系ほどではないようです。これは子宮本体が独立しているからで、
乳腺はリンパ腺に密接につながっているからだと思います。

麻酔のリスクが普通より高い場合(症状がひどく進んでいる。高齢等)は
獣医さんははっきりおっしゃいます。大事なのは、病状がどの程度まで
進んでいるのか、です。他の臓器の機能も落ちてきている、すでに食べない
状態であれば、リスクは高いでしょう。(でも絶対助からないとは限らない。)

ウサギさんをあなたの人間のご家族に置き換えてみてください。
このまま痛い処置をせずに、残り数ヶ月を生きてもらうのか。
絶対リスクなしとは言えないが、成功すればあと何年も生きることが
出来る方を選ぶのか。
どちらにするかは、飼い主さん次第で良いと思います。

ちなみに、子宮蓄膿症の場合の手術のリスクは、早い段階ならば普通の
避妊手術とさして変わらないと思います。
子宮蓄膿症は、末期的状況でなければ治せる病気だということを忘れずに。
また麻酔のリスクは、他の動物より個体差があり難しいというだけで、
ウサギの手術経験が豊富な獣医さんならいたずらに怖がるものでもない、
という事も。
飼い主さんのご心配を率直に獣医さんに伝えて、病気の進行具合をしっかり
把握して、十分話し合ってみてくださいね。

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