ウサギ掲示板過去発言No.1500-200705-20
ぎんちゃんへ |
投稿日 2007年4月5日(木)11時51分 投稿者 プロキオン
小学校において、鶏やウサギが飼育されていたのは昔からなのですが、盛んになったのは低学年への「生活科」の導入があった92年頃からだと思います。 目的は命をはぐくみ育てることで豊かな心がやしなわれるというお題目だったのですが、実際に進行していたのは、命の軽視でした。 97年に大宮市の小学校において、増えすぎたウサギの赤ちゃんを教員が生き埋めにして処分したというショッキングな事件が新聞等でとりあげられたことを契機に、学校における動物の飼育の是非が問われるようになりました。私もその当時から寄せられた意見を拾い集めていました。 当時からすでに問題として、「動物達の餌代や病気になったときの治療費など、飼育に関わる諸々の経費については学校の裁量に任されており、行政からの支援がないのが実情。資金不足からの飼育環境の悪化を招いてしまっている学校も少なくない」とされていましたが、学校や教育委員会における改善は、いまもって不十分なままと言えます。 その一方で、そのような現状を憂えている人々の間では、学校の飼育をサポートしようとする動きが出てきています。下のスレッドに登場してくる「学校飼育動物を考えるページ」等がそれにあたります。日本小動物獣医師会や日本獣医師会でも、これらのサポート活動の後押しをするようになってきています。 けれども、肝心の学校は今でも閉鎖的なところが多く、獣医師会からの申し出を拒否されるところが多いようです。おそらく、ここがまずい、ああしろこうしろと言われても対応できない、学校の内情が外部に漏れるくらいなら、獣医師等に入って欲しくないというのが本音なのではないかと思います。 そのような現状の中で、やはり下のスレッドに登場している小学校6年生の女の子が、興味のある時だけかわいがって、あとは放置という飼育のあり方にウサギがかわいそうと思って、このBBSに相談してきました。 お金がないのは教員以上でしょうし、誰も関心をもってくれない中で1人でウサギによりよい生活をさせたいと世話に頑張っていました。このBBSの常連さん達は、みんなそれを見てきて応援していましたから、その意味では学校の教員・職員に対しては「もっと、しっかりしてくれなくては」という想いがあるのではないでしょうか。 ウサギや鶏が病気になってもお金がないから放置しておくということは、子供達にとってはひじょうに良くないことです。中には、「動物が死ぬことを教えるのも教育である」とさえ発言してしまっている教員もいました。この発言も当時(97年頃)、学校の先生はこのように言って病院へ連れて行ってくれないと小学生がマスコミに訴えてきたことです。 学校は動物を飼育しなければならないから飼育している、病気になっても予算がないから病院へは連れて行けない。飼育しなければならないから、死んだらまた他所の学校から貰ってくる。この繰り返しがどれだけ子供達の心を傷つけているのでしょうか? 学校は、「弱いものを守り、命に対して責任を持つ」ことを教えるべき場所です。それが逆に命の軽視を教えてしまっていることには大いに疑問を抱かざるをえません。 各々の家庭においても、お金が余っているからウサギを飼育しているわけではないと思うのですよ。私も学校に病院へ連れて行くだけの充分な予算がないことは百も承知のうえで、レスしているわけです。それは、命に対して安直な方法ではなく責任をもって接することを子供達に見せてあげて欲しいからなのです。 世間は、学校自身が考えている以上に学校のことを見ているのだと思います。
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