獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200804-54

Re:多数飼育
投稿日 2008年4月8日(火)22時01分 投稿者 チーママ

多数飼育という事ですが、今までのミニウサギさんと、新しくお迎えした1ヶ月のウサギさんの2匹という事でよろしいでしょうか。また先住ウサギさんはミニウサギで男の子、子ウサギさんはメスかしら?
そうだとして、お話しますね。違っていたら、教えてください。

まず、今現在は2匹を一緒にはしないでください。幸い先住ウサギさんが興味を持っているようだから良かったのですが、これが「縄張りを侵された」と感じたら攻撃されるところでした。そうなったら、1ヶ月の子ウサギはひとたまりもなかったでしょう。

先住ウサギさんが好意的だとしても、子ウサギには大変なストレスです。生後一ヶ月というと、ちょうど母親からの免疫も切れて胃腸内が大変無防備になって、胃腸内のバランスを崩しやすい頃です。
ショップから家庭にという環境変化のストレスに、知らない大人のウサギや飼い主という事で、一見平気な様でいて、かなりのストレスがかかっていることがあります。ウサギにとってストレスは、大敵。脅かすようですが、最悪下痢や食滞を起こす事もあります。生後数ヶ月の子ウサギの胃腸トラブルは、命に関わる事も珍しくありません。

で、2匹のウサギを仲良くさせるには、原則「時間をかける」つもりでいてください。
ペットとして繁殖されたウサギたちですから、案外すぐに仲良くなってくれる事もあるのですが、私は今だ「ウサギは原則個別飼い」という従来の考え通りだと思っています。
ショップでウサギさんが個別のゲージに入っているのは、何も体が大きくなったからというのではなく、ウサギさんは縄張りを持つ動物なので、一緒に出来るのは1・2ヶ月の子ウサギのうちだけという事だからです。大きくなるにしたがって、上下の関係が出てきて、強い子が弱い子をいじめたり、弱い子が食べられなくなるという事もあるのです。
(学校や動物園のウサギはどうなのか、という事では、実際にはかなりのトラブルがあるのです。)
品種的には、ネザーやロップなどの純血種は比較的温和と言われていますが、ミックスは個性も感情もはっきり出してくる子が多いように感じています。

ウサギは個別のテリトリーを持ち、ゆるい群れを作る社会性も持っています。
という事は、お互い上下の順位付けをする動物です。オスはより多くのメスを獲得する為に、広いテリトリーを獲得する為に、オス同士で争います。またメス同士でも、より良い巣穴や餌場を獲得する為に争います。多くの獣医さんが「ウサギの喧嘩は半端じゃない」と言っています。あの鋭い歯やキック力の強い後ろ足で、他の動物より弱い皮膚を切り裂くのですから。

ただ同居が出来ないわけではありません。あくまでも相性の問題ですから。
実際に、我が家では仲良くなりました。
元々オスメス同腹のウサギを一緒に飼っていたのですが、去年メスのほうが亡くなり、考え抜いた末に11月末に生後5週のメスの子ウサギを迎えました。
とはいえ、迎えた時は「仲良くなったらもうけもの。ダメなら家を二分して飼う」という、一か八かの賭けの覚悟でした。
そして最初から、子ウサギのほうが先住オスウサギに異常なくらい積極的にアタックしたのですが、4歳のオスのほうが引き気味で(^^;; 一頃、大人のオスのほうが体調を崩したほどです。 まさに子ウサギの怖いもの知らずといった処でしょうか。結局3ヶ月ほどして、押しかけ女房になってしまいました(笑) 
ただそこまでなるには、飼い主の方も毎日ハラハラし通しでしたよ。同じように、毛が抜かれている事もあって、一緒にいる時は片時も目を離さずにいました。いつでも飼い主が介入できるようにしていました。

という事で、まずはゲージ越しでお互いを認識できるまでは、一緒にしない事。一緒にする時は短時間からで、必ず飼い主が見ていること。子ウサギが逃げたり、どこかにこもるような時はすぐにゲージに戻してあげること。先住ウサギの立場を優先すること。
そうした事に注意しながら、徐々に慣らしてあげてください。中には、性格が合わずにどうしても一緒に出来ない事もあります。それだけは忘れないでくださいね。

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