ウサギ掲示板過去発言No.1500-200809-42
Re:Re:Re:斜頸 |
投稿日 2008年9月17日(水)09時10分 投稿者 だぬどん
エンセファリトゾーンについては、まだまだ誤解もありますので補足いたします。 エンセファリトゾーンとパスツレラ症の鑑別は、現在でもそう簡単ではありません。 まず血液検査(抗体検査)で陰性であった場合は、エンセファリトゾーンは否定されます。 これは話が簡単です。 ですが、抗体陽性だった場合でも、エンセファリトゾーンが原因と確定したわけではありません。 まず現在も感染しているのか、過去の感染の痕跡であるのかがわかりません。 また、本当にエンセファリトゾーンが斜頚の原因であるのかについても、抗体価だけでは判断がつきません。 たとえば、仮に駆虫薬で治療し、斜頚が治った後でも、抗体価は下がらないことがほとんどです。 また、抗体価が高くても一生斜頚を起こさない子もたくさんいます。 もちろん、エンセファリトゾーンが原因で斜頚を起こしているケースも、今のところはやはりあると考えておかねばなりません。 そのため、抗体価が高かった場合、実はまだ確定ではないのだけれど、可能性にかけて一応駆虫薬も併用している、というのが、正直なところウサギ医学の現状です。 本来ならば、パスツレラ側も、より診断検査で調べるべきであり、可能であれば、CTをとって中耳や内耳の状況を検査すべきです。 また、それをやれば脳の写真も撮れるので、エンセファリトゾーンによる脳炎がないかなどもチェックできます。 ただ、ウサギのCTのための麻酔や、検査費用(多くの場合専門機関への依頼になる)の問題で、なかなかそこまで踏み込もうとする飼い主さんは少ないです。 結果的には、「わかる範囲のなかで、なんとかできることをがんばる」で四苦八苦しているのが現状です。 以上のような状況を、飼い主さん側も、ご理解いただけたらと考えます。
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