獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-201002-23

Re:スナッフル
投稿日 2010年1月16日(土)13時51分 投稿者 チーママ

お返事がすっかり遅くなり、申し訳ありません。
本日少々情報を仕入れてまいりました。

スナッフルと言う事ですが、鼻水の培養検査をして菌の特定は済んでいらっしゃいますか?
それともくしゃみ鼻水がたびたび出ると言う事で、症状としてのスナッフルと言うことでしょうか。

まず症状としてのスナッフルという広義の場合は、鼻水をとってどんな菌が悪さをしているか、その菌に対してどんな抗生物質が効くかの感受性テストをした方がよろしいかと思います。感受性のあった、つまりその菌に効くもので、ウサギに使っても大丈夫な抗生物質の投与を考えるわけです。
次に菌の特定が出来ている狭義のスナッフルの場合です。
一年たっても治らないとなると、元々菌が抗生物質に対して耐性を持ってしまっている場合。また長く使っているうちに、耐性を獲得してしまう場合があります。
(多くの獣医さんは、それを考えて抗生物質を変えて投与しているはずですが)
も一つ考えられる事として、菌の巣が薬の届きにくいところに出来てしまい、なかなか治療の効果が得られない場合もあります。こうした場合、より強く抗生物質を使うと、腸内細菌にダメージを与える事があるので、獣医さんもそれ以上は控えざるを得なくなります。

と言う事で、投薬を続けているのに治りきらない、と言う事が出てきます。
こうした場合は、塩化リゾチームなどの薬で、溜まった粘性のある菌の塊を緩めて排出しやすいようにしたりと、獣医さんは対処療法を考えます。
つまり、完治できないまでも、ウサギさんのQOL(生活の質)をより良く出来ればという方向になります。飼い主さんも、「この程度までは良しとしよう」という線引きが必要になります。それ以上になったら投薬をして、症状を抑えるという事です。

もちろん抵抗力をつけることも大事ですね。
おっしゃるようなアガリスクなども、色々なタイプ(錠剤、粉、液体等)がありますので、工夫をして投薬する事もできるでしょう。錠剤ならば砕いて粉にして、いつも食べているペレットをふやかして混ぜるとか、無塩野菜ジュースなどに混ぜてシリンジで与えるとか。

また保温に関しても、この時期は部屋の暖房だけでは体の冷えが改善できない事もあります。そうした時は、ホットカイロで体をなでて温灸効果を狙う事もできます。
最近はレンジでチンするウサギさん用ホットパッドもあり、腰の辺りを暖めてあげると血の巡りが良くなるようです。「ウサギ マッサージ ホット」などのキーワードで検索してみてくださいね。
こうして飼い主さんが手をかけてあげる、まさに「手当て」がウサギさんにとってはリラックスタイムになることがあります。色々お話しながらしてあげると、より一層心が通じますね。
マッサージも良いですね。耳や首筋、肩や鼻筋を、ゆっくり優しくほぐしてあげると、やはり血行促進にはなるようですし、何より緊張が解けると副交感神経が活発になって、リラックスできます。最近はウサギのマッサージの本も出ているので、参考になるかもしれません。
人間でも風邪をひいて鼻詰まりが続く時、お風呂に入ったり体を温めると、鼻の通りが良くなるという経験をしますが、そうしたことはウサギさんにも当てはまるのではないかと思うのですよ。
シニアになると、若い時のように「元気にピチピチで、病気なんかふっ飛ばす」と言う事が出来にくくなります。
これからも、今まで以上に色々な工夫をして、ウサギさんの生活の質を保ってあげてください。何か効果があった事を見つけたら、どうか教えてくださいね。
Kさんの愛情が、スナッフルに打ち勝つ事を心から祈っています。

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