獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-201002-42

Re:うさぎの病気について…
投稿日 2010年2月9日(火)21時03分 投稿者 チーママ

避妊するかどうか。これは最終的には、飼い主さんの方針次第と言う事になります。

確かにメスウサギの子宮系の病気のリスクは、他の動物に比べて有意に高い(なりやすい)です。特に獣医さんにおいては、子宮の膿瘍(のうよう:膿がたまる)や腫瘍の治療をする事が多く、それも外部からは分からないので、定期的に健康診断に来ているウサギさんでない場合は、気がついたら最終ステージと言う事も多く、中には悲しい結果になることも。(太りすぎと思っていたら、実は子宮が大きくなっていてどうにもならない段階になっていたというケースもあります)
なので、獣医さんたちの中には「増やすつもりがないなら、避妊さえすれば防げる病気なのに」と思う方も多いのだと思います。
反対に、定期的に健康診断に連れて行けるならば、そしてウサギを良く診る獣医さんがいるならば、手術をしなければならないと言うわけではないのですね。

ウサギをよく知って、的確に診断できる獣医さんがいること。
定期的に(少なくとも年に3.4回は)健康診断に連れていけること。
健康な体にメスを入れる必要はないと思っていること。
そういう飼い主さんなら、手術はしなくても良いと思いますよ。
ただし、これは個人的な気持ちですが、避妊しなければ発情があります。
発情は最終的に交尾する事で収まるわけですが、強い発情が続く場合は、それ自体がストレスにもなると言う事も考えた方が良いのかな?って思います。

未だに「麻酔して手術して、死んでしまったらどうしよう」という飼い主さんが多いようですが、別段ウサギは麻酔に弱いわけではありません。
・他の動物と違って、使える麻酔(薬)と使えない麻酔(薬)がある。
・麻酔の許容範囲が他の動物に比べて狭い。(つまり麻酔管理に神経を使う)
・病気を隠す動物なので、重篤にして(病気がひどくなって)から手術する羽目になる。
こうした事から、昔はそういう事あったのでしょうし、それが未だに「麻酔をかけると死んでしまう事がある」と言われ続けているのだと思います。
でも最近はウサギを診る獣医さんも、治療に熱心な獣医さんも増えてきており、そうした獣医さんが手術する場合には、麻酔の危険性は犬猫となんら変わらないと聞いております。
実際、我が家のかかりつけの先生は「いまでは麻酔で亡くす事はない」と言っておりますし、かなり病気がひどくても無事に手術を済ませています。ほって置いても亡くなるだけのケースで、イチカバチかと言う場合は別でしょうが。
ですからウサギをよく診る獣医さんなら、ご心配は要らないと思います。
とはいえ、どんな動物のどんな手術にも100%の安全はないことだけは、ご承知おきくださいね。

と言う事で、あとは飼い主さんがどう判断するかです。
ちなみに、手術のストレスは個々に違います。
でも大方の場合は、一時期の問題で、飼い主にとってハラハラドキドキの1週間を乗り切れば、後はごく普通と言う事が多いようですよ。手術のストレスで、ウサギさんが亡くなったと言う事は、私の場合は聞いた事がありません。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。