獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-201008-2

Re:叱り方について
投稿日 2010年7月2日(金)01時34分 投稿者 チーママ

これはあくまでも、私の考えですが。

ウサギは叱るものではないと思っています。
犬など群れで暮らす捕食動物の場合は、個体によって犬種によって叱ることも有効です。
しかし被捕食動物(食べられてしまう動物)のウサギの場合、元々が臆病で賢いものですから、叱る事は「怖がらせる」ことになり「飼い主の顔色をみる」「より神経質になる」「なつかない」「反抗的になる」という事態を引き起こし、最悪の場合は「噛み付く」ウサギさんになる可能性があります。
これはもう個体差、個性しだいなので、中にはおこられても平気の平左という子もいますけれどね。
ウサギにとっては「叱られる=脅される」事であることは、確かです。
で、賢いウサギですから、一度叱られたという事実はしっかり覚えていて、中には時間がたってから仕返しに来ることも(^^;;
少なくとも、犬並みに賢いウサギを叱るのは「迫害あって一利なし」「叱る必要はない」と思っています。

またウサギがかじるのは、これはもう持って生まれた習性です。
かじることは、ウサギにとってのお仕事だと思ってください。
元々かじることで、一生延び続ける歯をすりへらして調節しているのですから、これはもう人間に「一言もしゃべるな」というのと同じです。
ちびさんは、しゃべるたびに叱られる人と仲良くしようと思いますか? 

ちなみに叱る時は、決して大声を出したり、きつい声を出してはいけません。
また名前を読んでもいけません。
反対に褒める時は、沢山名前を読んであげましょう。
「名前=叱られる」ではなく、「名前=褒められる。可愛がられる」という図式を作ってあげてくださいね。

少しの音や変化に敏感で神経質だからこそ、捕食動物から逃げる事ができるのです。
そして賢いからこそ、危ない相手を覚るのです。
そう考えたら、うさぎを叱る事はあまり益が無いことだと思いませんか?
人間の方が賢いのですから、叱らずにすむ環境にしてあげましょう。

我が家では、壁(壁紙はウサギの鉱物の一つです)や柱を、ベニヤ板で覆っています。
安いベニヤ板は大型のカッターで切ることも可能ですから、柱の幅に合わせてカットします。それをコマンドタブという、ポスターを貼るときに使う文具で貼り付けています。
これならはがすときも柱や壁を傷つけることなく、はがせます。
どうしても隠すことが出来ないコード類は、細かい目の金網を5cm幅くらいに切って、くるりと巻いてぐっと握ればOK。

そうこうしても、やっていけないこと、危険なことをしてくれることはありますね。
そう言う時は、黙ってウサギさんを移動させる。
あるいは抱き上げて、「誰が悪い子さんかな?」とやさしく明るく言い聞かせる。
多少時間がかかっても、ウサギはやってはいけないことだと必ず覚えます。
ただし、やりたいことはやるのがウサギですから、目を盗んでやってくれますが(笑)
でもいけないことだとは分かっているので、見つかると一目散に逃げたり、抜き足差し足離れたり、何食わぬ顔してすっとぼけたり。これがまたおかしいのですね(^^)

生後半年から1歳すぎまでは、人間で言えば幼稚園生。
色々と世界が広がって、いままでやらないことをあれこれやる時期です。
また世界が広がることにより、縄張りの再構築の為にトイレ以外の場所で●やオシッコをしたり、文句を言うようになったり、反抗してみたり。
この時期にどう接するかで、この先のウサギさんとの関係が決まってきます。
ウサギさんをしつけるのは、ひたすら根気と笑顔と工夫です。
どうかウサギさんと楽しい生活を築いてくださいね。

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