獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-201008-46

Re:食欲
投稿日 2010年8月22日(日)21時30分 投稿者 チーママ

プロキオンさんがおっしゃるように、不安な時は獣医さんが一番。
ウサギさんはそれぞれに個体差が大きいので、この子の場合は大丈夫でも、あちらの子の場合は要注意、そっちの子はそうなったらすぐに病院へ、という具合に違います。
そのあたりを何度も経験して、飼い主さんは「うちの子の場合」をおぼえていくことになります。

で、毛球症というのは胃腸の動きが悪くなって起こる症状のひとつ。
毛球ができて、胃腸の動きが悪くなるのではありません。胃腸が元気に動いていれば、毛は排出される。それが繋がりウンチですね。
まず「はじめに胃腸の動きの低下ありき」なのです。
それで、出るはずの毛がたまる。そうするとますます動きが悪くなる、ガスがたまってくる。この辺りから、食欲も落ちてくると思います。人間の便秘と同じですね。
で、その毛球が通路をふさぐと「閉塞」が起きて、そのままだとだめになる。
中には、ギリギリまで食べているつわものもいますが、大体は食欲低下が見られるはずです。
要は、胃腸の動きの低下具合で、ウサギさんの食欲もいろいろということ。
「胃がもたれて、さっぱりしたものなら良いけど、脂っこいのは駄目」とか「おなかが張って食べられない。でも水分はとれる」とか、胃腸の状態によって、食欲もさまざまですね。
でも動物の場合は気分や痛いところを聞けないから、飼い主さんがアタリをつけるわけです。
それが分からないうちは、獣医さんに診ていただいたほうが、いたずらに心配したり、手遅れにせずにすみます。何かあっても、早いほうが回復も早い。

もう一つの歯の場合は、「よだれが出る」(これに付随して、手の内側がよだれでガビガビになります)「目やにが出る」「涙目になる」「鼻をフガフガさせる」「口角炎(唇の角がただれて赤黒くなる)になる」等の症状があります。
またそうしたものはなくても「食べたそうにするのに、食べるのを止める」「野菜など細かくしたもの、ペレットをふやかしたものなどは食べる」といったことも見られます。
これが続くと、腸内細菌バランスが崩れて、歯に起因する食滞(しょくたい:胃腸の蠕動が止まって食べなくなる)も起こります。
これもつわものは、何のこれしきで食べ続け、ある日ついにパッタリ食べなくなるということもあり。
困るのは、歯の伸びすぎで舌や口内を傷つけた場合。つまり盛大な口内炎が出来てからでは、歯の処置をしてもなかなか食滞が改善されません。

ということで、プロキオンさんのおっしゃったとおりに「オン・オフ式」ではないということですね。
必ずサインがあります。
そのどこでサインを受け取るかが、飼い主さんの勘となり、この勘を育てるには、何度も病院で診ていただくことが必要です。
(そんな経験がないほうが良いに決まってますが)

人間でも「最近なんとなく食欲がないの」という時があり、そういう場合はやはり胃腸の動きが悪くなって、腸内細菌のバランスが崩れているものです。
ウサギの場合は、腸内細菌のバランスが崩れると、食生活の変化があるような気もしています。
特に近年は酷暑で、ウサギさんもバテます。
クーラーを使っていても、夏ばてや逆にクーラー病もあり。
しばらくすると自然回復することもありますが、「その子の大丈夫」や病院へ行くタイミングが分からないうちは、「いつもと違うと感じたら病院へ」が正解です。

今回は17日から変化があるとのこと。
すでに6日たっていますので、明日になっても状況が改善されない場合は、病院で診ていただいた方が安全な気がしますよ。
どうかお大事にしてくださいね。

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