獣医師広報板ニュース

モモンガ掲示板過去発言No.1600-200512-3

RE:お願いがあります
投稿日 2005年7月4日(月)03時58分 投稿者 とも

私が初めてモモンガに出会ったのは、鳥たちの声がうるさく響くペットショップの隅でした。
冷房も効かない狭いケージの中で、身を隠す場所も無く体を寄せ合って眠っているももんが。
それは本当に心痛む光景でした。

すぐにも助けてあげたかったけれど、飼い方も分からない。値段も高い。
しかも大人で、もう人には懐かないだろうという話だった。
(ショップの人は正直者でした)
その時は、後ろ髪を引かれながら立ち去りました。

ペットショップにとって姿の可愛いはモモンガは重要な客寄せの商品。
私が買ってしまえば、また仕入れをするわけです。
私があの子を飼っても、別の子が替わりにお店に並ぶ。
それは分かっていても、あのモモンガを店にこれ以上置いておきたくないという気持ちの方が強くて、結局私は数日後には我が家に迎え入れてしまっていました。

それ以来、とにかくできるだけよい環境を作ってあげようと思って一緒に暮らしてきました。
そしてモモンガたちの境遇が少しでも良くなるよう、モモンガを飼っている人に助言できることがあれば・・・と思ってここのお世話係をさせてもらっています。

私も野生動物を捕獲してペットとして売る業者がいることには憤りを感じています。
野生で生まれた子達がペットショップにいることなんてあってはならないと思います。

とはいえ、ペットショップにモモンガがいたら、その子の生まれはどうあれ、その子のために「早く良い飼い主にめぐり合えますように」と祈らずにはいられません。

「不幸な子を増やさないためにも安易な気持ちで飼わないでほしい」という気持ちもあります。
でも「一度店頭に並んだ子が再びもとの故郷に戻れる事はないのだから、せめてショップで誰からも愛されることなく亡くなってしまうことのないよう、大切に育ててくれる人にめぐり逢えますように」という気持ちの方が強いんです。

私は、ももさんに飼われた子は幸せだったと思います。
お金目当ての業者に捕まって遠くまで連れて来られてどんなに不安で心細かったでしょう。
懐いてくれていたとのこと、ももさんに大切にされて愛されたことが通じていたんですね。
「助けてくれてありがとう。一緒に暮らせて嬉しい。大好き!」きっとそういう気持ちで
毎日暮らしていたと思います。申し訳ないなんて思われていると知ったら亡くなった子は
きっと悲しむと思います。
「長生き」=「幸せ」ではありません。
5年間で一生分の幸せをもらって天寿を全うしたのだと、私は思います。

天寿がいつ尽きるか、それは誰にも分かりません。今、モモンガを飼っている方は、
いつその時がきても後悔しないような飼いかたをして欲しいと思います。
最後の時を「ごめんね」じゃなくてお互いに「ありがとう」と言って迎えられるように
これ以上できないくらい自分は精一杯やってきたと言えるくらい大切に可愛がって欲しいです。

これから外来動物の輸入に関する規制が強化されます。
タイリクモモンガは日本固有のモモンガと種が近いので、混血の危険があり、種の保存のため、ペットとしての輸入およびショップでの販売は禁止される見通しです。今飼われている方は、繁殖の禁止や飼育登録が必要になるかもしれません。

また、アメリカモモンガやフクロモモンガも輸入の際には証明書が必要となり、捕獲された野生の子が輸入される事はなくなるのではと思います。人によって繁殖された子であっても輸入が難しくなるようなので、今後店頭からモモンガの姿がなくなる可能性もあります。

まだ、検討段階で決まったわけではありませんが、モモンガたちのためにも規制対象動物になると良いと思っています。

ただ、ショップでのタイリクモモンガの販売禁止が決まれば、施行日を境に、お店にいる
モモンガさえも売る事ができなくなります。飼い主がいないモモンガは売れない以上、
殺処分するしかなくなってしまいます。
販売禁止が決まったら、どうかみなさん、店頭でタイリクモモンガを見かけたら、飼って
あげてください。捕まえられて、店頭で売られた末に売れ残って殺処分ではあまりにも
かわいそうです。

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