獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-199911-134

鳥の消化について...
投稿日 1999年11月21日(日)09時04分 アヌビス

この前「さのう」についてのお話がありましたので、さのうの事も
含め、鳥の消化についてちょっと? 書き込み致します。


鳥には「歯」というものがありません。そのため食べたエサは硬い
ままの状態で、だ液と共に「そのう」へと一時滞留させられます。 
「そのう」は食道の一部が拡張したもので、胃や腸での化学的消化
に備えて食べた物をふやかします。 

次にエサは「胃」へと送られます。鳥の胃は「前胃」と「後胃」の
2つに分かれています。

  前胃(腺胃ともよばれます)は
  胃腺が発達しており、胃液を分泌してエサを消化可能な状態に
  します。ここでは化学的消化はほとんど行われません。 

  後胃(筋胃・砂のう・砂肝)は
  筋肉が発達しており、その内壁はぼこぼことした硬いケラチン
  の膜で覆われています。この後胃の収縮によって硬く粗大なエ
  サは粉砕されます。胃における主な化学的消化(特にたんぱく
  質の分解)が行われ、エサは消化されやすい状態にされます。
  ここでは消化酵素は分泌されません。

  また後胃は砂のう(砂肝)とも呼ばれるように、塩土などで摂
  取した砂粒がここに蓄積されます。小さな砂粒(グリット)は
  後胃でのエサの粉砕を助ける働きがあります。ただし、排せつ
  されるくらいの粒の小さいものや胃液で溶けてしまうボレー粉
  はグリットとしての働きはあまり期待できません。

「胃」から今度は「腸」へとエサは運ばれます。 腸は「小腸」と
「大腸」とに区分されますが、鳥はウンチをすぐ体外に排せつ出来
るよう大腸が短いのが特徴です。 <小腸>は化学的消化と吸収を
行う部分で十二指腸・空腸・回腸に分けられ、<大腸>は未消化物
質の処理やフンを形成する部分で、盲腸・直腸とに区分されます。

  後胃からすぐ「十二指腸」となり、この間に「幽門弁」という
  固形物がの腸への流出を防ぐヒダがあります。十二指腸には共
  にすい管・胆管が開口していて、すい臓からすい液、肝臓から
  胆汁が分泌されます。 

泌尿器系の方は「腎臓」と「尿管」とから成り立っており、鳥には
「腎う」や「ぼう胱」がありません。<腎臓>は血液中の老廃物や
余分な水分などを吸収・ろ過し、尿として排出します。

  鳥の腎臓は肺からオシリの辺りまである縦長に大きい臓器で、
  左右に一対あり、骨にはまり込んでいるので可動性はありませ
  ん。鳥はたんぱく質の最終産物を尿素ではなく尿酸という水に
  溶けにくい白色の結晶で排出し、尿管から総排泄腔へと送りま
  す。

こうしてエサは「フン」や「尿」となり、総排せつ腔という肛門の
手前の部分で混じり合って一緒に体外へと排せつされます。


最近ずいぶん寒くなってきたため、「ほかほかうんち」でいかに鳥
の体温が高いかを感じる今日この頃です...(笑)。
   

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