鳥類掲示板過去発言No.1700-200205-81
鳥の気嚢 |
投稿日 2002年5月27日(月)16時22分 プロキオン
鳥の気嚢は、「後胸気嚢」「腹気嚢」「頚気嚢」「鎖骨間気嚢」「前胸気嚢」 の5種類9つの気嚢があります。 概ね一方通行とも言える流れで、2つの吸気相と2つの呼気相を経て、喚気が 行なわれます。鳥はこの気嚢をもつことで、喚気量の増大をはかり、飛行時の 酸素要求量を満たし、かつ自らの重量軽減に役立っています。この喚気量は肺 の容積の10倍にまでなるそうです。 昨日の書き込みから拝見すると、相当に大きな膨らみのようですので、ちょっ と驚きました。この膨らみが気嚢であるとすると、上で書きましたように、一 方通行の流れが阻害するわけで、これはかなり急な転帰をとると考えられます。 「気嚢破裂」場合は、何らかの衝撃を受けて、気嚢に穴があき、そこから気体 が皮下へ漏れでていくことになります。このような場合ですと、皮膚が次第に 風船のように膨らみ、皮膚と皮下組織の間に貯留します。 つまり、気嚢そのものに気体が貯留して膨らむというわけではないのです。 そして、この気嚢破裂は、飛行中に何かにぶつかってとか、猛禽の爪や猫の爪 に襲われてとか、巣立ち雛が高い所から落下してとかの原因が多いようです。 家庭で飼育されている鳥にこれと同様な衝撃を伴う事故というのが、あまりな いというか、あったのなら飼い主自身に覚えがあるであろうというのが、私の 推測の根拠です。 また、気嚢破裂による皮下気腫なら、まったく食べることができないというこ ともないように思えます。 そ嚢という組織も、健康な状態でもなにかしらの細菌はいるもので、梗塞が起 きればガス貯留が起こり得ます。こちらの場合ですと、餌を食べる事ができま せんので、そちらからの転帰となります。 まあ、そうはいっても、それだけの大きなものであれば、実物を目にしていな いでの推論は当てに成らないかもしれません。 次回、もしそういうことがあるのであれば、これはまず針で突く前に、その正 体がなんであるか判断できる人に確認してもらうことです。 |
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