獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-200208-9

reチミチミ咬み
投稿日 2002年7月17日(水)02時45分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

 これで行ける! という確信は持てず、試されては・・・という程度。

1 もしも治療で保定する機会があるのなら上嘴の先端をわずかに切ります。というのは、ヒトが嫌がることを楽しんでいる可能性があるわけで、その場合、叱ってやめさせることは良くなく、無視する(ヒトが反応しない)のが良いのですが、痛くなければ無視しやすいということで。保定の機会がないのに敢えて切るべきとは思いませんが。また、切りすぎると永遠に伸びなくなるので要注意です。

2 リンゴから作られた苦い液体(商品名ビターアップル)等を咬まれる部位に塗る。・・・ただ、アルコールが入っていますので、たぶん染みます。冷えます。アルコールが飛ぶまで待つ必要があります(小鳥はアルコールに弱いですから)。間違えて自分の口に指など入れると大変に苦いです。

3 癖を忘れるまで、素手には乗せない。この時期は辛いものがありますが・・・。

4 チミチミ咬みを「していない」時に「強化」します。強化とは、鳥を喜ばせることで、健康に問題のない範囲で好物(野菜のカケラなど)を一口与えるとか。そうしたご褒美の類は小箱(釣り餌入れなど)に入れて腰につけるなどして、鳥と触れる時にはいつでもスグ取り出せるように。ご褒美を渡す時、同時に、笛、クリッカー、特別の言葉などの、「いつも決った合図」を行います。
 合図のタイミングを次第に早めて、まず合図、その後1、2秒以内にご褒美、とします。落ち着いている時でチミチミ咬みをしていない時にこの操作を。回数を重ねて、合図があったら「強化」を期待する、予期するように仕向けます。
 以上準備段階。この間、チミチミ咬みが出ても完全無視。叱ったり、カゴに戻したりはしません。チミチミ咬みに対して一切の反応がないようにします。一時的にチミチミ咬みが増えるかもしれませんが、ひたすら我慢。
 そして、充分に合図を覚えてからは、チミチミ咬みをしようとした瞬間(してからでは遅すぎ。嘴が皮膚に触れるあたりでも遅すぎ。咬もうとして頭を下げはじめる時ぐらいが適)に、合図をします。準備段階がうまくいっていれば、咬まずに、「強化」を期待するはずです。そこで強化。もしもタイミングを逸したら無視。咬んだ後で合図と「強化」は最悪なので、やや遅いかなと迷ったら無視のほうで。
 
 「何々する」ことに比べて「何々しない」ことは訓練が難しく、チミチミ咬みの動機も不明瞭でことさら、さらに健康上の問題もある・・・わけですが、うまくいけば準備段階に1週間、矯正に1週間程度で行動に変化が表れはじめる可能性はあるかと思います。

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