鳥類掲示板過去発言No.1700-200307-118
re:ワカケ |
投稿日 2003年7月30日(水)23時40分 はたの
獣医師ではありませんがご参考まで。 馴らすべきか、馴らさざるべきか、それが問題です。 うなぎさんは >このままじゃこのコも幸せではないと思います。 とお考えのようですが、果たしてそうなのか? ということです。 場合によっては、餌と水の交換、掃除だけの最低限の世話のみ行う、距離をとった飼い方のほうが、鳥は幸せ、ということもあります。この場合、理想を推し進めていけば、鳥の逃走距離より大きな屋外禽舎での多数飼育、となってゆきます。そこまで行かずとも、同じ理念での飼育は可能でしょう。つまり、距離があるなりに折り合いをつける、わけです。 むろん、いっそ馴らしてしまえ、がいけないというわけではありません。しかし、根がヒト好きなのをもっと好きにさせるのは、特に時間をかければ簡単です。それこそモデルに対する観察学習が奏効し得ます。 が、根がヒト嫌いの場合、価値観の転換を強いるなければなりません。そうでなければヒトと仲良くしているオカメがワカケには意味を持たないわけです。そして、価値観の転換の強制(たとえばSMなんかを考え見てください。痛い→快感という転換があるわけです)は小鳥の場合、なかなか困難です。鳥はじっくり考えて判断する動物ではなく、ちょっとでも警戒したら飛んで逃げる性質なのですから。よって、手乗りにするためには雛から育てたりするわけです。 荒鳥を懐けることも不可能ではありませんけれど、いろいろな困難が伴います。これには、「距離の近い飼育方法における長期的なベースのストレスを減らす」ために、「価値観の転換中、短期的に強いストレスをかける」といった、健康上のリスクも伴います。成功させるにはある程度の腕が要りましょうし、それでもリスクがゼロにはなりません。 基本となるのは体系的徐感作の手続きですが、「体系的」たらしめるためには、餌なりの遮断化、暗やみや視覚的障害物の利用、ヒトの動作の洗練、などが関与してきます。 積極的に「馴らす」のであれば、ここにあげたようなキーワードからご自身で訓練理論を学ばれて、使いこなせる腕を身につける。ぐらいの労力が必要になりましょう。 そこまでは・・・というのであれば、ワカケの嫌がる範囲にはなるべく接近しないほうをお勧めします。たくまずして体系的徐感作の手続きになりますので、次第にヒトを許容するようになる可能性が皆無ではありません。 |
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