獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-200406-78

こちらこそ、済みません
投稿日 2004年6月1日(火)11時34分 投稿者 プロキオン

>あおさん

不快な思いをさせてしまって、こちらこそ申し訳ありません。直前に
あおさんの書き込みがありましたが、これは偶然です。とくに、あお
さんを意識したものではありません。

「病院へ行くなら、鳥専門病院でないと」という意見が日頃より、多く
見かけられるもので、自称「鳥専門」では仕方ないだろうという気持ち
からの発言です。

きっかけは、やはり「多発生過骨症」です。
長骨の骨髄が白くチョークのように写る、これが生理的な変化であると
判断できる「鳥専門病院」が、どれだけあるのだろうかということです。
10軒、診療しますと看板をあげている病院があったとして、もしかし
て1軒もないということも考えられるのではないかという危惧を、今の
医療現状に感じているからです。
今の「鳥を診ます」の獣医師は、その多くが成書を読みながらの診療で
す。本に記載されていないことは「?」です。それが、いけないという
のではなく、いまだ黎明期であると私は考えています。まだ、まだ積み
重ねられなくてはならないものがあるのです。
実際に診療を重ねて行く中でしか、伝えられない知識というのもあるの
です。
また、同時に成書に記載されている内容にも、国内の事情とのズレを感
じることがあります。
もう小鳥の診療を開始してから、10年は過ぎているという先生もいる
かもしれませんが、その10年で何がどう変わったのかは、御本人にし
かわかりません。
「鳥専門」「小鳥も診療します」の看板が、小鳥にとってどれだけの保
証となるのかは定かとは言えません。看板を当てにしての病院選びであ
れば、その結果は病院よりも飼い主に責多しといえないだろうかという
ことなのです。

動物病院の「市場・マーケット」としての小鳥やエキゾチックペットは
確かに経営者としては、魅力ある分野ですが、飼い主の期待に応えられ
るだけの知識や技量を備えた獣医師がどれだけ、育っているのでしょう。
看板だけで、安易に信頼されてしまっても、同業者として、居心地の悪
いものを感じてしまうのです。

今回のピピちゃんを診察された先生も、鳥専門の看板は掲げておれれな
いようですし、カルシウム動態が変化している事実には気が付いておら
れるのですから、むしろ真面目な方をお見受けします。
「ヘルニア」というのも、どの部分のことか触れておられませんが、私
が想像するには、腹部の伸展のことを指して言っているのではないかと
思います。
ある意味で、真面目な方で事実関係がしっかりと把握できる方であれば、
余計な知識など無い方が、先へ先へと伸びて行かれるのかもしれません。

「鳥専門」の看板の有無よりも、真面目に取り組んで勉強されている先
生に巡り会って欲しいということなのです。

私も学生時代に、猫に飼育していた錦華鳥を襲われました。自分達で卵
を孵化して育てる番だったので、なんとしても助けたくて破れたお腹に
はみ出した腸を押し込んで、縫い針と木綿糸で縫合しました。脚の皮膚
も剥離してしまっていたものを寄せましたが、無くなってしまった脚の
部分はどうしようもありませんでした。
麻酔も抗生物質もなくてのことですが、「鳥は化膿しにくい」にかける
しかなかったわけです。
 # 幸い、命は助かりましたが、繁殖には使えないようになりました。

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