獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-200501-11

re:気道への誤嚥について
投稿日 2004年11月10日(水)17時55分 投稿者 プロキオン

11月9日の たすけつさんへ

点眼瓶による投与ですが、これは鳥類の場合、気道の入り口である喉頭が
哺乳類と異なって、口腔内において、かなり入り口側に位置しているため
、誤嚥させてしまう危険性が高いからです。

このため、点眼瓶の先端に1滴の雫をつくり、それを嘴の合わせ目の横に
軽く接触させて鳥自らに、嘴の中へと吸引してもらうのがよいとされてい
ます。
気の長い、相手まかせの投与方法のように感じられるかも知れません、少
ない投薬量であれば、けっこう鳥の方で飲んでくれます。

投薬量が多い場合ですと、ある程度強制的に投与することになりますが、
こちらの場合は、口腔内に見える舌の付け根に喉頭孔が開存しているのが
確認できますので、この喉頭を飛び越えて、より奥の位置まで投薬口をも
っていく必要があります。
このような場合ですと、カニューレやゾンデを用いて、頚部をできるかぎ
り伸展させて投薬させる方が安全と言えます。
手乗りの鳥を育てる時に注射器のような形をした「育ての親」があります
が、あの器具も喉頭よりも奥の食道へ、餌を入れてあげるための器具とい
えます。

誤嚥を避けるということは、喉頭の位置に食べ物や水をおかない、そこか
ら遠ざけて、与えるということに他なりません。
喉頭の位置さえ把握していれば、それほど問題にはならないようです。

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