鳥類掲示板過去発言No.1700-200505-62
re:鳥のものの見え方 |
投稿日 2005年5月9日(月)22時49分 投稿者 はたの
私も比較解剖学者ではないのでやや不安が残りますが。 「鳥の目の構造はヒトと一緒」ではないわけです。 ヒトの目はほぼ球体ですけれど、ニワトリの目、露出している部分、平らです。 これも1タイプであり、鳥の目は少なくとも大きく3タイプに分かれます。鳥の目は眼窩に直接収まっているわけでなく、骨性の筒状の部品で囲われていますが、そのあたりが3通り。 かつ、瞳孔が光の入り口ではあっても、どういう経路でどこにある網膜に当たるかが異なる、と。 単純に3×2の6通りではないはずです。 一度調べたことがありますが、対象はヒトと同じような眼の連中なので、いささかあやふやです。おそらくネット検索ではなかなかひっかけられません。肉眼でわかる範囲ですから、古めの比較解剖学の教科書あたりを当たるのが近道でしょう。 眼の構造と、視野は異なります。片眼視野は通常、解剖学的な記述で説明されることが多いわけですが、その場合でも経路が複数あれば、また、両眼視ではまず間違いなく、脳による統合が関わってきます。解剖学的視野でも、左右方向と上下方向では異なるでしょう。 脳の話になりますと、時間分解能も関わってきます。ヒトには動画に見える25〜30コマ/秒の映像が(ある種の)鳥にはパラパラマンガのように見えるはずとか・・・となると、頭を振って視野を動かした時の差分がどう統合されて認識されるのか、というあたりは、ヒトの視覚からの安易な類推では危ういということになります。この分野は断片的には研究があるようですが、網羅的体系的にわかっているかというと、そうではないように思っています(不勉強なだけかもしれませんが)。 ですので、おそらく簡便かつ明瞭な説明は存在しないかと。追究するであれば、鳥学・比較解剖学・認知科学・脳神経学・眼科医学その他について幅広く文献を渉猟せざるを得ないだろうと思います。 |
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