細木数子さんがテレビで、鶏は２４時間明かりをつけられていて、１日に２個も３個も
卵を産まされている。そんなことして産んだ卵も薬漬けだ、と発言したとか。

産卵には、明るいだけではだめであって、暗い時間も必要とします。
また、１日に２個も３個も産卵してくれる鶏が品種改良で生まれてきたら、それこそ採
卵農家にとっては喜ばしいことでしょうね。
産卵のピークにあっては、毎日産卵してくれることが望ましいわけなのですが、ピーク
時をすぎれば、じきに産卵率は落ちていきます。１日に１個確実に産卵してくれる期間
をどれだけ長く維持できるかというのが採卵農家の目標なのですから。

さらに、治療等に用いられる薬剤には休薬期間が薬ごとに定められていて、この期間内
に産卵された卵は出荷することが禁じられています。
ブロイラーについてであれば、投薬されていれば、やはり出荷できなくなりますので、
治療しないという選択肢の方がとられることも多いです。

卵、ブロイラーとも、家畜保健衛生所等が抜き取り検査で薬剤の使用基準が遵守されて
いるかどうかを確認する事業が実施されているはずです。
食品衛生法でも抗菌製剤が食品から検出されてはならないとされていますので、スーパ
ーや小売店での店頭の商品でも食品監視員が巡回しています。あやしいものは、検査に
まわされます。
これらの監視や検査の目を盗んでというのであれば、意図的な悪質業者ということにな
るのでしょう。

いっぱんの養鶏農家とくに採卵農家の団体が抗議の書面をテレビ局に送付したそうですが
その気持ちは理解できます。
細木さんも実態を知らないまま、なんかのはずみでそのように発言してしまったのではな
いかと思います。まさか確信犯だったいうことでもないでしょう。

鶏インフルエンザを心配している方も多いでしょうから、重ねて不安を煽ることのないよ
うに発言させていただきました。