鳥類掲示板過去発言No.1700-200710-82
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投稿日 2007年10月13日(土)11時28分 投稿者 プロキオン
こんにちわ、naganoさん。 高橋先生は、都の衛生局にいた頃死んだ犬の解剖をしていて、うっかりメスで手を傷つけてしまったため、発病防止のために狂犬病ワクチンを接種して、その副作用のために足が動かなくなってしまいました。その当時の狂犬病ワクチンは、ウイルスを動物の脳を用いて製造していましたので、痛みや副作用が多かったそうです。 失意の先生を慰めてくれたのが、小鳥達だったということで、小鳥の診療の道を歩み始めたとされています。でも、本当に何もないところから始めるしかなかったですし、海外にも文献らしい文献はなかったはずです。かなり苦労されたはずです。 「小鳥の飼い方と病気」には、経験から学ばれてきたことが披露されており、1人でノウハウをしまい込んで秘密にしようという意図がなかったことが伺われます。本当に小鳥が好きで小鳥達のために執筆されたのだと思います。価格も580円ということで、できるだけ手軽に読んで欲しいという意図があったのだと解釈しています。 先に触れましたように獣医師が読むには、すでにもっと詳細な本がたくさん出版されておりますが、私はこの本をずっと傍に置いておきたいと考えています。先人が歩いてきた道を感じることができるからです。 余談ですが、昭和62年6月15日の読売新聞夕刊に次のような記事が掲載されていたそうです。 東京都職員のAさん(60歳)がこの3月末、都立松沢病院の一室でひっそりと定年をむかえた。Aさんは、狂犬病予防員であった。昭和27年狂犬病にかかっている犬に咬まれたAさんは、ワクチンによる治療を受けたが、2年後、ワクチン後遺症に襲われた。公務災害と認定され、昭和32年、休職扱いとなって入院した。 昭和25年の狂犬病発生数は、実に867頭に達していた。関係者の必死の努力と犠牲により、昭和32年以後、わが国ではその発生をみない。しかし、外国では、まだまだ多発している。交通機関の発達した現在、いつ何時、外国から侵入してくるかわからない。「短期間で狂犬病を予防できた背景には、Aさんのような犠牲者がいることを忘れて欲しくない。」との都衛生局動物管理事務所長の言葉で記事は結ばれていた。 こちらは、犬の病気ついて記載さている飼い主さんむけの本の中でわざわざ紹介されている記事です。こちらの本の発行は平成3年のことです。狂犬病防圧については、簡単になしえたことではなく、幾多の犠牲の上に達成できたことが語られています。 先人達が築いてくれた礎があればこそです。そういうことなので、こちらの本も高橋先生の本も、本棚に並べておくようにしています。 ということで、私がもっているものは、私が存命である限り、古本屋さんへは行きません、悪しからず(^_^)
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