魚類(水棲動物)掲示板過去発言No.1800-201112-29
Re:Re:Re:南米淡水フグ ひれの血管拡張? |
投稿日 2007年9月29日(土)10時45分 投稿者 プロキオン
>たすけつさん ”復活”とのこと、なによりでした。 ヒレ赤病の原因とされているエロモナス(アエロモナス)菌は一般的には低温発育菌のように考えられていますが、私は個人的に乳牛や白鳥における病気に遭遇したことがありますので、そこそこ高い温度でも発育可能であると考えております。 一方、白点病や白雲病のようなときに遭遇するシュードモナス菌は、仲間に「緑膿菌」等が存在しているため人間や哺乳類のような体温の高い動物に多いかのように受け取られています。でも、お魚さんを飼育している方であれば、それこそこちらがメインだと言われるかもしれません。事実、冷蔵庫内の鶏肉から分離したことが私自身あります。 病巣が潰瘍になっているか、糜爛になっているかと言っても、これらの疾病を見た目で判断しようとしても、どちらにも同じような病態があるわけで、容易ではありません。 病巣から細菌を分離することになるのですが、これがどうもエロモナスとシュードモナスが病巣に混在してしまっていて、分離された細菌が原因とは限らない場合があります。このため、水産センターや魚病センターのような機関においても、しばしば誤認が生じることもあるくらいです。 このような時は、水温の変動を追いかけていると、病気の拡大あるいは終息という形で犯人が絞られてくることがあります。至適発育水温のおかげですね。 個人が飼育している魚であれば、これらの公的機関が相談に応じてくれることもあまりないので、個々の症例のケースが蓄積されていかず、なかなか魚病の知見が深まりません。 もう少し、柔軟な対応があってもよいように思います。 今回のケースは病気というよりは、もしかして「硝酸塩(もしくは硝酸態窒素)」の方かもしれませんね。 この硝酸塩も酸素と結びつく働きもあって、血液の色調が濃く鮮やかに見えるようになりますし、尾びれの血管等に血栓を形成する原因となったりします。 この硝酸塩も元々から水の中にはあるのですが、アンモニア濃度が高くなってくるとそれに連れて増加してきます。犬や猫の膀胱炎や尿道炎を引き起こす細菌の中にも、この硝酸塩と仲の良いものがおり、出血性の膀胱炎を誘発してくれます。 水替えが効を奏したのであれば、これらのアンモニアや硝酸塩の濃度が低くなったことがよかったのかしれないと、かってに想像していたりします。
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