爬虫類・両棲類・カメ掲示板過去発言No.2000-200503-42
元気がいいのは喜ばしいことですが |
投稿日 2005年3月6日(日)21時53分 投稿者 はたの
元気がよい若者がいるのは喜ばしいことです。 しかし、書き込むことによって情報を得たいのか、議論を経て自己肯定感を得たいのか、落ち着いて考えてごらんになってはいかがでしょうか。 古株には、短い書き込みからでもいろんなことが透けて見えてしまうのです。 「レオパ」「エメラルドツリーモニター」は、流通名・商品名・俗称です。極めて限定的な範囲では通じますが、「ナオン」とか「シーメ」とかといった語と同じく、多くの人に自分の求めをわかって頂きたい、という時に使うべき言葉ではありません。 「ヒョウモントカゲモドキ」なり「ホソオオトカゲ」なりの標準和名というものがあります。どの標準和名を使うかを知られたくない(松井・千石両氏の論争はご存知ですか? 邦文誌ぐらいは読みましょう)のであっても、世の中には便利な学名というものがありますよね? ましてや、「エメラルドツリーモニター」という俗称は、ある species の subspecies あるいは色彩変異に与えられているであろうものです。種を指し示している語と対にするのはおかしな話ですね。 また、Varanus prasinus と Varanus gouldi は、要求する環境も空間もキャラクターも相当に異なります。追い込んで検討しておられないことが見えてしまうのです。 Varanus prasinus か Varanus indicus か、ならばわかりますけれども。 要するに、ハリさんが、「日本語の飼育法情報が少なく、どれが確立されたものかも判らない、安易に消費されるべきでもなく、飼育コストもかかり、それなりに長命な」爬虫類を飼うにふさわしい「見識」を備えていないことはあからさまなのです。 「見識」というのは単にその種の飼育法に関する情報だけの問題ではありません。そこには、欲望のままに買って飼うのではなく、我慢する、といったことも含まれます。 一定の見識があれば、情報収集には10年はかからないでしょう。けれど見識を身に付けるには10年ぐらいかかるのは不思議ではありません。 今は飼っていませんが、以前、20年近くにわたって、7 8種類、のべ数十頭のオオトカゲを飼っていました。そのために引越しをし、飼育小屋を建てるところまでいきました。 ホソオオトカゲは1頭だけですが、8年ほど飼いました。グールドはショップで見ただけでやめましたがね。 私自身の当時の見識に大いに不足があったと思うからこそ、安易な飼育を止めています。 「もっち知識と技術がなければ飼うべきではない」と気づくだけの見識がなかったからこそ、累代飼育ができず、そう扱われるべきでない野生動物を消費しちまったと公開しているからこそ。 往時と異なり、いまは、欧文を含め、また飼育家向けに限定せず野生における知見をも含めれば、相当な情報が、本気で探せば得られます。だからこそ、その情報を得る力を持つために、また使いこなすために、見識が大切なのです。 流通名でなく学名で認識する、関心があるグループについては、個々の論文とまでいかずとも総説や一般に出版された解説書は原文で読む、といった程度のことです。アマゾンで「Monitor Lizards]で検索すると27ほど出ますが、大半は目を通しているとか、著者がどんな仕事をした人がぴんとくる、といった感じです。 また、いさめられた時に反論するのではなく自省する、といった程度のことです。欲望から発する熱意やエネルギーを垂れ流しにするのではなく、急がば回れで勉強をする、といったことです。 特定外来種法に象徴されるように、飼育者に求められる倫理レベルは時代を追うごとに厳しくなってきており、初心のかたにとっての壁は高くなっていますから、大変だろうとは思います。 が、それに反比例するように、流通している情報量は増えており、勉強はずっと容易になってきています。洋書が存在していることさえ調べづらかった時代とは違うのですから。 好きなのなら、文句を垂れる暇に勉強なさいまし。ヒントを差し上げたのですから、まずはアマゾンで出てくる二十数点、買ってお読みなさい。巻末の参考文献欄から次に進むのです。生体を買う前にまずこちらにお金を(稼ぐなり貯めるなりして)お使いなさい。借りるのではダメですよ。身銭を切るからこそしっかり読む気にもなれ、手元にあればこそ読み返すことも出来るのですし、印税や売り上げが次の研究、次の出版を支えるのですから。 一般的でない動物を飼うというのはそういうことなのです。ある一線を踏み越えることが要求されるのです。 頑張ってくださいね。 |
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