乗馬の世界でも馬が品物になっている事は多いです。
勝負の為なら乗り潰しても使えるだけ使って出してしまう、そのような所もか
なり見ますよ。
その為に治療が出来ない事が多いのです。環境の改善も言えない事が多いです。
自馬でも費用がかかるのに乗れないのなら、他の馬に変えるというケースが殆
どかもしれません。
自馬だから最後迄みていくから治して下さいと言われると、本当に嬉しいですよ。
でも、殆どそのような方にぶつかりません。
一番の理由はやはり経済的なものですので、こちらは何とかしたくても出来な
い事が多いですね。
バブルの時代はもっとそうでしたね。優勝出来そうだと思う馬はお金を出して
も買うけれど、乗り潰して駄目になったらすぐ出して次に行く、外産馬でもお
金に不自由しない時は可哀想なくらいでした。あの子達は何処へ行ってしまっ
たのでしょうね。
幸い、今携わっている所は皆馬が大事だと思う方達ですから、気持ちがとても
楽です。
大体獣医さんを頼む所は良いほうだと思えるかもしれませんね。
競馬馬を持つ方、扱う方はそれがお仕事でもあり、かなり詳しい事は当たり前
ですが、乗馬の世界では馬に関して全く知識が無くても接触出来ますね。
それが良い所でもあるのですが、その為、どうしても手遅れと言う事、馬を駄
目にしてしまうと言う事がある事は仕方が無い事でもありますね。
せめてとおもっても、それはある意味知っていれば当たり前の事のようですが
、好きだからと馬の所に来たというだけでもこちらとしては嬉しい事で、それ
以上はやはり管理する人の責任なのだと思うのですね。
勿論、来たからには知識を増やさなければ馬の命に関わりますけどね。
でも、自分が全てを知らなくても乗馬をやっていると言える世界でもあります
からね。
管理の立場の方達はやはり経済が優先してしまう事も仕方ない事でしょうし、
バブルが弾けてからはますます厳しい世界になってしまいましたよね。
その各乗馬関係の所の厳しい経済や諸々の事情を飲み込んで、その中で我々獣
医が乗馬馬と接していかなければならないのも仕方のない事だと思っています。
競馬馬でもそうですが、競馬から変更して乗馬に来れる馬は幸せですよね。
その為にも、５月のホースショウで一生懸命競馬馬でもその後こんなに乗馬馬
で頑張っていますよって皆様に披露するのですものね。
あそこに来れる馬はほんの一部で、場所によってはそれはひどい飼われ方をし
ている所も無数にあると思っています。
そのような子の為にも、もっと獣医にとって馬を診る事が普通であって欲しい
と願っています。