獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-199810-33

思いはさまざま
投稿日 1998年9月24日(木)12時18分 プロキオン

kikkoさんもまきさんも獣医師ですか? こめどころさんは書き込みから
は判断できませんが・・・・。Michelleさんとはこちらの掲示板では
初めてですね。

前述の誘拐野生動物(野兎の子)の場合、他の方からも飼育できないから返し
なさいと言われていたようなのです。具合が悪くなったのを私が診療して、な
んとかなると思ったようなのです。私も元の場所へ返すように言ったのですが、
その後少しして 再度来院しました。多少のことがあっても獣医師の所へ連れ
ていけば何とかして貰えると考えているとしたなら、責任の一端は私にもある
のではと思うようになったのです。再度、野生動物は飼育してはいけない旨を
話したのですが、その後来院しません。
では、もう飼育していないのかというと友人の病院へ同じ人かもしれない方が
来院しているらしいのです。

獣医師があてにされるのは結構なことですが、誘拐幇助になってはまずいと思
うのです。誘拐者も善意の保護者も明確な区別は困難です。獣医師が介在すれ
ば飼育できるでは困るのです。いったんは保護した人から取り上げて、県の鳥
獣センターのような施設で受け入れて貰うシステムが必要なのではないでしょ
うか? 
問題はこのセンターの人材と器材の不足です。アピールも足りないし、地理的
な制約もある点です。これらを補う形での診療でないと、保護された野生動物
のデータが死蔵されてしまう恐れがあります。
私の県では鳥獣センターは林務部の所管であり、獣医師は不在です。獣医師が
いなくても せめて人材を育ててくれる姿勢があったらと思います。あるいは
民間の活用でも良いのですが。

私自身は、まだ野生動物に関わって良いのか否か分かりません。本来は何も考
えずに治療してあげれば良いのでしょうし、私もそれで良いことをしたと考え
ていました。でも当の動物は「自由を与えよ、しからずんば死を」と考えてい
るとしたら、余計なことをしているのかもしれないのです。

ふた昔もまえに「朝日ラルース」で野生動物を飼育することの議論がありまし
た。その後に創刊された「アニマ」にはひじょうに明快な理念がありました。
中でも自分が関わったことで、野生の狐を「口発破」で失った竹田津実さんの
文章には心惹かれるものがありました。竹田津さんの現況が1つの答えではあ
ると思うのですが・・・・・。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。